彗星が近づいています。
肉眼でも見える明るさになると予想されています。
2021年12月が観測のチャンスなので、興味のある方は見逃さないようにしましょう。
その名は、
「レナード彗星」
です。
レナード彗星(C/2021A1)のピークは2021年12月12日
レナード彗星の概要は後ほど説明するとして、とりあえず、いつ見えるのか、というお話をしましょう。
今日(11月30日)現在も深夜0時ぐらいから日の出までの時間にかけて東の空に存在しています。現段階での明るさが約7等級ということで肉眼での観測は難しそうですが、カメラで長時間露光すれば撮影可能かと思います。うしかい座の少し上の方に位置するため、一等星であるアルクトゥールスを目印に探すと良いでしょう。
そして、ピークは12月12日。日本時間23時に地球に最接近し、0.23au(地球と太陽の距離の0.23倍)の距離まで近づきます。この段階での明るさは3.7等級と予想されています。
・2021年11月27日 7.2等級
・2021年12月03日 5.9等級
・2021年12月06日 5.2等級
・2021年12月09日 4.4等級
・2021年12月12日 3.7等級(ピーク)
このデータは以下のサイトから引用しています。
3.7等級であれば、街灯りが少ない場所なら十分肉眼で見えますし、写真も撮りやすいですね。
ただ、残念なのは、地平線から昇ってくる時刻がどんどん遅くなってしまうことです。
今日(11月30日)は深夜0時頃東の空から顔を出して、日の出前の6時には高度60度に達します。観測がしやすい条件ですね。(あいにくここのところの札幌は天気が悪い(涙))
しかし、徐々に昇ってくる時刻が遅くなり、ピークの12月12日は地平線から顔を出すのが5時少し前です。6時でも高度12度ぐらいなので、開けたところでないと観測が難しいです。
なので私は12月6~9日ぐらいの明け方を狙って観測したいと思っております。方位的には自室の窓から撮れそう。あとはお天気ですが、長期予報はあまりよくなさそうですので、祈るしかありませんねー。
あ、12月11日ぐらいから夕方の南西の空でも観測が可能ですが、こちらも高度がかなり低いので、開けた場所じゃないと観測ができないと思われます。
詳しい位置情報等はアストロアーツ様の先ほどのページで確認してください。
レナード彗星(C/2021A1)とはどんな彗星?
さて、順番が前後しましたが、レナード彗星の概要です。
レナード彗星(C/2021A1)は、その仮符号を見て分かるとおり、2021年に発見された新しい彗星です。A1なので、1月前半の発見ですね。アメリカのレモン山天文台のGregory J. Leonard氏によって発見され、その名が付きました。
発見当初は19.0等級でしたが、軌道を計算すると、地球に0.23auまで接近することが分かったため、「肉眼でも見えるかもしれない彗星」として当初から期待されていました。
近日点通過は2022年1月3日。
その後、もう一度地球に接近しますが、0.6auと距離があるため、やっぱり観測は12月の方が適していますね。
この彗星は少し特殊で、符号の頭に「C」が付いています。これは、「非周期彗星」を意味し、双曲線軌道をもっているのです。通常、彗星は楕円形の軌道なのですが、これは双曲線。すなわち、今回太陽の側を通過したら、永遠に戻ってこないということなのです。
そう思うととても貴重なチャンスに思えますよね。
なんとしても観測して、写真に撮りたいです!
【追記】2021年12月12日夕方と13日早朝のレナード彗星の位置
追記です。2021年12月12日夕方と13日早朝のレナード彗星の位置がわかる星図を掲載します。12月12~13日に観測を検討している方は参考にしてください。
※上の星図はVixenのスマホアプリ「Nebula book(ネビュラブック)」で作成
下部にある赤い丸がレナード彗星の中心で、水色の斜めの線が尾、一番下の黄色いラインは地平線です。
いやいや、厳しいですね。
上が日没直後、下が日の出直前です。高度11度と7度です。ここまで地平線に近いと、高いところから見ないと上手く観測できないですね。さらに快晴であることが条件です。
もう少し高い位置にいる時間帯の方が観測しやすいですが、太陽の明るさとの勝負になりますが、早めに出かけて、試行錯誤しながら観測や撮影するのがベストですね。
みなさん、頑張りましょう!