世界一大きい湖はどこ?
「世界一大きい湖はどこ?」
こういう話題は大人よりも学校で地理を習っている中学生の方が詳しいと思うのですが、この問題については、私でも正解を知っています。
世界一大きい湖は西アジアにある「カスピ海」です。
場所はここ。
カスピ海は面積にして、374,000km2。面積で世界2位の湖・スペリオル湖が82,367㎡ですので、圧倒的な大きさです。
◆世界の広い湖ランキング
1位 カスピ海 374,000km2
2位 スペリオル湖 82,367km2
3位 ビクトリア湖 68,800km2
4位 アラル海 64,100km2
5位 ヒューロン湖 59,570 km2
※キッズ外務省より引用
比較するのもおかしいのですが、日本の国土の面積は378,000km2。なんと、カスピ海とほぼ同じです! 世界がいかに広大で、日本かいかに小さいかがよく分かります。
でも、あれれ?
地図をよく見ると、カスピ海の西側にもうひとつ大きな湖があります。
これは黒海ですよね? 下手したらカスピ海より大きくね?
なんで黒海は面積の広い湖ランキングに載ってないの?!
と思ったので、調べてみました。今回のテーマはカスピ海ではなく、黒海です(笑)
なぜ黒海は世界一大きな湖じゃないのか?
普通に地図を見ていると、黒海が湖じゃない理由が全くわかりませんでした。だってこれ、完全に陸地に囲まれた閉鎖水域じゃないです?!
調べると面積は436,402km2。カスピ海よりはるかに大きいです。
やった!世紀の大発見?!地理の教科書は私の手で書き換えられる!!
というワケもなく(笑)これにはちゃんとした理由があるのです。
黒海の左下に辺りにイスタンブールというとても美しい都市があるのですが、そのイスタンブールの街を拡大してみましょう。
なんと!
黒海は左下のマルマラ海と細い海峡で繋がっている?!
マルマラ海はエーゲ海と繋がっており、エーゲ海は地中海と繋がっています。そしてご存じの通り、地中海は大西洋と繋がっています。
実は、黒海は大西洋と繋がっているのです!!
ボスポラス海峡で外海と繋がっている内海・黒海
ということで、黒海はイスタンブールにある海峡で、果ては大西洋と繋がっている内海なのです。この海峡は「ボスポラス海峡」と言います。
GoogleMapのストリートビューなどでで見ると、とても美しい海峡で、今すぐカメラを持って行ってみたくなりました。
ボスポラス海峡は最狭部で800mしか幅が無いのですが、どんなに狭くても、海と繋がっていれば、それは海洋であり「内海(ないかい)」と定義されるそうです。
へぇ~、そうなんだ。勉強になりますね!
あれ?
じゃあ、サロマ湖は? 風蓮湖は?!
内海でもすべて1つの国家の領域なら湖と呼んで良い
海洋法上での定義は上で書いたとおり、海峡で海と繋がっていれば海洋として扱われるのですが、同じような地形である北海道のサロマ湖や風蓮湖、厚岸湖、静岡県の浜名湖などは「湖」と呼ばれていますよね。これは間違いなのか?!
いえ、間違いではありません。
厳密な理屈は難しいのですっ飛ばして書きますが、「内海」でも「湾」でも、その湾口が24海里以内であり、その全域が1つの国家の領域であれば、そこをなんて呼ぼうがその国の自由なんだそうです(笑)
「どうせ誰も勝手に入れないんだから、勝手にどうぞ!」
ということですね。なんといういい加減な・・・・
もしサロマ湖の北半分と南半分が違う国家に属していたら、そこは「サロマ海」と呼ぶしかなかったのですが、幸い、周りはすべて日本国なので、「サロマ海」でも「サロマ湾」でも「サロマ湖」でも、自由に名付けることができたんですね。
いやあ、世界一大きい湖の話をしていたはずなのに、なぜか最後はサロマ湖の呼び方の話になってしまった(笑)