青森県大間町から津軽海峡の方向に不思議な雲が現れたようです。2020年7月5日のことです。
なんか函館の方に変な雲がいる💦
ナニコレ?? pic.twitter.com/egEHMSNtd0— 大間観光土産センター@がんばるべし下北 (@omacojp) July 5, 2020
これは、「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」という気象現象ですね。今回はその「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」についてお話ししたいと思います。
津軽海峡にゴジラにしか見えない雲が現れた
最近、珍しい気象現象が多いですね。環水平アークが頻繁に出現したり、夜光雲が3日連続で出現したり・・・
先日の白い飛行物体や大きな火球も含めると、不思議なことが起こりすぎのような気もします。何かの前兆?
この大間町の雲についても、さっそくニュースにもなりました。
確かにゴジラに見えますね。しかも集団の(笑)
これ、説明してくれる人が居なかったら不気味でしょうがないですよ。ほとんど超常現象ですもんね~。でもご安心ください。これは発生原因を科学で説明できるちゃんとした気象現象なのです。
その名も、
「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」
といいます。いや、名前長過ぎだし、日本語でお願いしますって感じ(笑)
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲とは
「ケルビン・ヘルムホルツ不安定」というのは、流体力学の用語で、大学で少しかじってはいたのですが、ほとんど忘れていました。名前が難しいですけど、こういう科学用語のほとんどは科学者の名前が付きますので、これもケルビンさんとヘルムホルツさんから名前が付いたものです。流体力学の発展に貢献した科学者らしいです。
実は名前ほど難しい現象ではなく、仕組みはシンプルです。
密度が違う2つの流体(液体や気体)が層をなしており、別の速度で動いていた場合、その界面(2つの流体が接触している面)が不安定になり、不思議な形の渦が発生します。これが「ケルビン・ヘルムホルツ不安定」です。
コンピュータによるシミュレーション動画がWikipediaにあったので、シェアしますね。
うんうん、今回のゴジラ雲とそっくりですね!
この不安定が、海上の大気で起こったものが「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」です。今回のケースでは海面の温度が暖かく、陸上の温度が低かったため、気温差のある2種類の空気が接する海面で不安定が起こったと見られます。珍しい気象現象ではあるものの、ときどき観測されるみたいです。Wikipediaには別のケースの写真が載っていました。
不思議ですよね。「不安定」と言いますが、ものすごく規則的になっています。大間町のは本当に集団のゴジラかネッシーです。天然のアートですね!
世の中にはいろんな気象現象があるものですね。もしかしたら、私たちが普段気がついていないだけで、いろんな現象が起こっているのかもしれません。
仕事に疲れたら、窓の外に目をやって、遠くの空を眺めてみませんか?