興味深い不思議な現象が起こっているようですね。
日本では滅多に見られない気象現象である「夜光雲」が、北海道で3日連続で観測されたそうです。
「夜光雲」とはどんな気象現象?
「夜光雲」、「やこううん」と読みますが、あまり聞き慣れない言葉ですよね。いったいどんな気象現象なのでしょうか?
夜光雲というのは、夕方の日没直後の薄明るい空か、朝方の日の出前の薄明るい空に出現する光る雲のことを言います。薄明るい時間外なので、夕焼けと見分けがしにくいと思うのですが、夕焼けの赤に対して、青白く光っているのが夜光雲だそうです。Wikipediaに参考写真が載っていたので、引用します。
幻想的な風景ですよね。
この現象は、地球の南極と北極に寒暖差があるために発生する現象で、日本でいう夏至や冬至など寒暖差が大きくなる時期に、成層圏や中間圏でも大規模な大気循環が発生し、夏側の極付近に流れてきた冷たい空気が中間圏界面あたり(上空80~90km)に氷の粒でできた雲を発生させるために起こるらしいです。通常の雲よりも遙かに高いところに発生した氷の雲は、沈んだばかり(もしくは昇ってくる直前の)太陽の光を乱反射させて発光するんですね。地球は丸いために、地上からはすでに見えなくなった(まだ見えていない)太陽光も拾って反射させるのです。
このような現象であることから、この夜光雲という気象現象は、北極付近や南極付近でよく観測されるのですが、日本のような低緯度で観測されることはほとんどありません。
実際に、前回日本で観測されたのは2015年6月21日の北海道で、それが日本では初だったらしいです。それから約5年間、まったく一度も観測されていなかったんですね。(ロケットの発射などにより人為的に夜光雲が作られるケースもあるのですが、それは除きます。)
そんなレアな現象が今年は3日連続で観測されたのです。これはかなり異常な出来事です。観測を行った明治大学も「明らかに特異」と言っています。
今回(2020年6月)の観測日時と場所
今回観測を行った明治大学によると、観測した日時と場所は以下のとおりです。
2020年6月12日(金)
【夕方】 陸別(名古屋大学宇宙地球環境研究所陸別観測所)、名寄(なよろ市立天文台)2点で夜光雲を検出
2020年6月13日(土)
【朝方】 名寄、サロベツ(NICT電波観測施設)、紋別(北大低温研オホーツクスカイタワー流氷カメラ)の3点で夜光雲を検出
2020年6月14日(日)
【朝方】 陸別、紋別の2点で夜光雲を検出。特に陸別では1時間程度にわたり夜光雲の連続検出に成功※明治大学の公式サイトより引用
結構、道内の広範囲で見えたんですね。札幌はどうだったんだろう? 2015年の際は小樽でも観測されたみたいです。
1ヶ月前なら日没後に金星と水星の写真撮影をしたので、偶然写真が撮れていた可能性もありますね。6月12~14日に私が撮影したの写真を今確認してみましたが、夕暮れの写真は無かったです。残念。肉眼では見えなくても、写真なら判別できるケースもありますよね、きっと。
なぜ今回北海道で夜光雲が見えたのか?
さて、どんなレアな現象が3日連続で発生するという異常現象が起きたのですが、それは一体どういうことなのでしょうか?
本来、極付近でしか生成されなかった上空の氷の雲が、低緯度でも生成されるようになってきたということですよね。明治大学のプレスリリースでは、
地上が温暖化すると上空の大気は寒冷化すると言われており、地球温暖化の進行が夜光雲の出現頻度を増加させると予想されています。
と報告されています。
また、名古屋大学太陽地球環境研究所のサイトでは、2015年の観測の際に、
温室効果気体である二酸化炭素とメタンの増加によって、出現頻度が増加し出現領域が低緯度に広がると考えられ、地球温暖化の進行度合いを示す可能性がある現象として注目されています。
ということを書いています。
要するに、
地球温暖化が進めば低緯度でも発生する
ということみたいですね。少し怖い話になってきました。超常現象やっほー☆、という雰囲気ではありませんね。
ちなみに、参考にしたのは以下のサイト様です。詳しく書いてあるので、興味のある方は是非。
まあ、詳しい学術的な検証はこれからだと思いますので、研究機関からの次のレポートを待ちたいと思います。私は、しばらくは夕方の空が気になるでしょうね(笑)