ここのところ、夜中になると木星と土星が仲良く並んで地平線から昇ってきます。なかなかの風景です。
今年は惑星の接近や日食など、天体のイベントが多いですね。
私のような駆け出しの「なんちゃって天体フォトグラファー」にはうれしい限りです。
5月24日に「金星と水星のランデブー(大接近)を撮影してみた」という記事を投稿したのですが、今回は木星と土星のランデブーを撮影したというお話です。もちろん、普通の一眼レフと普通の望遠レンズのみで撮影しています。
木星と土星のランデブーの写真
撮影したのは2020年6月12日の深夜0時過ぎ、日付的には6月13日になったばかりの時間帯です。日を追うごどに昇ってくる時刻が早くなるので、そのうちもっと早い時間帯に観測できるようになるのですが、6月12日の段階では深夜0時ぐらいにならないと、住宅街にある私の家のベランダからは観測できません。
撮影条件は以下の通り。
・カメラ CANON EOS9000D
・レンズ SIGMA 30mm F1.4 DC HSM
・解像度 6000×4000 pixel
・撮影条件 ISO1600・1/8s・F1.8(マニュアルモード)
ホワイトバランス:太陽光
画角:30mm
※トーンカーブを調整して星の明るさを強調しています
※同条件で3枚撮影して合成しています(ノイズ低減のため)
この日の惑星データを見ると、木星が-2.6等級、土星が0.3等級と肉眼でも十分見られますし、写真も手持ち撮影で何とかいける明るさですが、今回は付近の他の星たちも一緒に撮りたかったので、三脚を使って真剣に撮りました(笑)
土星と木星は(というか太陽系の惑星は全部)同じ方向に公転しているので、しばらくはこんな感じでランデブーしていますが、木星の方が公転周期が速いので、徐々に土星に追いついていきます。
そして、2020年12月22日に土星と木星が最接近するらしいので、楽しみにしたいと思います。その際はその距離が、0°06′ になるらしいです。満月の視直径が 0°30′ 前後なので、その1/5ぐらいの距離に並ぶってことですね。これ、めちゃくちゃ近いです! 晴れると良いな~
木星の四大衛星(ガリレオ衛星)の撮影
さて、ついでと言っては何ですけど、木星の四大衛星の撮影にもチャレンジしてみました。木星には現在発見されているだけで60個以上の衛星があるらしいのですが、その中にひときわ大きいのが4つあります。
その4つの名前はイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
これは、ガリレオ・ガリレイの時代にすでに発見されていたことから「ガリレオ衛星」とも呼ばれています。
天体望遠鏡を使えばハッキリと見えるのですが、普通の一眼レフでも何とか撮影できます。
これは270mmの望遠で撮影して、一辺を1/10にトリミングしています。なので、2700mmの望遠で撮ったような画角になっています。
すみません。ちょっと間違ってISO感度を25600にしてしまったので(爆)、写真がザラザラになってしまいました(^-^;)
あれー? 四大衛星が2つしか見えないなー、と思い調べてみたら(今は本当に便利ですね。ちゃんと位置関係を計算してくれるサイトがあるのです)、イオは木星のすぐ横に、エウロパとガニメデはほとんど重なっているらしいです。
この写真で言うと、一番右側の点がカリスト、その左側で横長の楕円に見えるのが、重なっているエウロパとガニメデだと思われます。
ちなみに、ガリレオ衛星は、その2週間前の5月31日にも撮影に成功しています。こちらの方が真剣に撮ったのでキレイです(笑)
こちらは300mmのレンズで、ISO3200、F7.1、1/4sという条件でした。
きちんと三脚を使って適正感度、適正露出で撮影すればこれぐらいには撮れます。6/13のはひどい間違いです(笑)
こっちも四大衛星が3つしかありません(涙)イオとエウロパが重なってしまっていたようですね。ついてないなぁ・・・
写真の左から順番に、カリスト、イオ&エウロパ、木星、ガニメデです。
ちなみに、四大衛星の位置の計算はこちらのサイトで確認しました。
素晴らしいサイトですね。大感謝です!
木星や土星、そして火星も含めて、今年の夏から秋にかけて観測しやすい位置関係になりますので、どんどん写真を撮りたいと思います。良いのが撮れたらまたアップしますね!
【追記2020/7/3】
ガリレオ衛星が4つそろった写真の撮影に成功したので、アップします。
真ん中の大きいのが木星で(当たり前)、両側に2個づつ衛星が見えます。
一番左のぽつんと離れているのがカリスト、その右の木星のそばにあるのがイオ、木星を挟んで反対側にあるのがガニメデ、一番右にあるのがエウロパです。
やっと4つそろったのが撮れました(笑)