JAXA・H3ロケット3号機打ち上げ成功。次世代基幹ロケットで宇宙開発への夢が拡がる

JAXAのH3ロケット3号機の打ち上げが成功しましたね。

昨年3月に試験機1号機が失敗したときはガッカリしましたが、これで試験機2号機、3号機と2回連続で成功したことになります。日本の宇宙開発の未来を背負ったロケットなので、これはとてもおめでたいニュースです。

今回はJAXAのH3ロケットにについて、今までのロケットと何が違うかなどをお話したいと思います。

2024/07/01 H3ロケット3号機打ち上げの様子 ※JAXA公式動画より引用

  

H3ロケット3号機について

JAXAの新しい大型主力ロケット「H3」の試験3号機が、昨日・2024年7月1日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。

結果は成功。



搭載していた地球観測衛星「だいち4号」を分離し、無事軌道に投入できました。

JAXAの公式に打ち上げ映像があったので貼り付けておきます。

 
私は見られなかったのですが、打ち上げの様子は、YouTubeのJAXA公式チャンネルで生配信されて、一時7万2000人以上が視聴したということなので、注目の度合いがわかりますね。

H3ロケットは、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同で開発している次世代の宇宙ロケットです。これまでの主力だったH-IIAおよびH-IIBロケットの後継機として設計されており、高い信頼性と低コストを実現することを目指しています。

2024年2月の試験機2号機の成功に続き、これで2回連続成功となりましたので、H3ロケットの実用化に向けて大きく前進したことになります。日本の宇宙開発の未来は明るいですね!
 

H3ロケットの特徴とH-IIA・H-IIBロケットとの違いについて

これまでの日本のロケットはH-IIA・H-IIBロケットが主力でした。

これらは、H-IIAロケットが48回、H-IIBロケットが9回と、20年にわたって日本の宇宙開発に貢献してきましたが、コストや年間の打ち上げ回数の制限など、改善を求められている部分が多々あったため、2014年に新型ロケット「H3」の開発を着手しました。

ここでは、このH3ロケットが、H-IIA・H-IIBロケットとどう違うのか見ていきましょう。
 

■大幅なコスト削減

H3ロケットは、新しいエンジンや機体構造を採用することで、従来ロケットと比べて約3割の打ち上げコスト削減を目指して開発されています。量産体制の確立や部品点数の削減なども推進しているようです。

■静止軌道打ち上げ能力の向上

H3ロケットは、従来のH-IIAロケットと比べて約1.3倍の静止軌道へのペイロード搭載量を実現しています。要するにものが重たいもの積めるってことですね。これまでよりも大型の衛星を打ち上げることが可能になり、宇宙開発の幅が広がります。

■打ち上げ時の安全性の向上

従来ロケットでは分離できなかった固体ロケットブースター (SRB) の安全分離システムを導入しています。万が一、SRBが異常燃焼を起こした場合でも、ロケット本体やペイロードへの被害を最小限に抑えることができるようです。また、エンジンや機体構造の信頼性向上にも取り組んでいます。

■年間打ち上げ可能回数の増加

新しい発射台や整備設備を導入することで、年間最大6回の打ち上げが可能になります。これにより、宇宙開発の効率化と活性化が期待できます。
 

などなど。

他にもありますが、大きな改善点は上記の4点です。

私が個人的に興味があったのは、4番目の「年間打ち上げ可能回数の増加」です。なぜそんなことが可能になるのか調べてみたので、次の節で説明します。
 

H3ロケットの年間打ち上げ可能回数増加の理由

JAXA H3ロケットは、従来のH-IIAロケットと比べて年間打ち上げ可能回数を大幅に増加させることを目標としています。これは、将来的に大量の物資を宇宙にピストン輸送することを視野に入れています。

計画通り進めば、年間最大6回の打ち上げが可能となるようです。どうして打ち上げ可能回数を増やせるのか、以下のような理由があるようです。

■射場整備作業期間の短縮

H3ロケットでは、従来のH-IIAロケットと比べて射場整備作業期間が約半分になりそうです。具体的には、以下のような対策を実施することで作業期間の短縮を目指しています。

・新しい発射台や整備設備を導入することで、作業効率を向上
・ロケット本体や射場のモジュール化を進め、組み立て・分解作業を簡素化
・自動化技術を活用することで、作業の精度と効率を向上

■ロケット製造・輸送・整備の効率化

H3ロケットでは、ロケット製造・輸送・整備の効率化を図ることで、打ち上げまでの準備期間を短縮するそうです。具体的には、以下のような対策を実施することで準備期間の短縮を目指しています。

・部品点数の削減や3Dプリンターの活用による製造工程の効率化
・船舶輸送ではなく航空機輸送を活用したロケット輸送の迅速化
・自動検査装置や遠隔操作技術を活用した整備作業の効率化

 
素晴らしいですね。

確かに20年以上前のロケットと比較してはいけないのかもしれませんが、これが実現すれば日本の宇宙開発はより活発になると思います。

将来的に、月へ物資を輸送するための技術が必要になるそうなので、そのためにもこのような技術が進化し続ける必要があるわけです。

夢があっていいですよね!

月に人が住めるようになるのはそんな遠い話ではないのかもしれません。
 

※この記事の情報収集には、GoogleのAIシステム「Gemini」を活用しています