準天頂衛星システム「みちびき」4号機打ち上げ成功。日本版GPS・誤差6cm以下の測位システム構築へ

  みちびき4号機を載せたH-IIAロケット36号機の発射シーン

  みちびき4号機を載せたH-IIAロケット36号機の発射シーン

本日(2017/10/10)、準天頂衛星システム「みちびき」4号機が無事打ち上げられましたね。予定通り軌道に投入されたようです。

・初号機 みちびき 2010年9月11日打ち上げ
・みちびき2号機  2017年6月1日打ち上げ
・みちびき3号機  2017年8月11日打ち上げ
・みちびき4号機  2017年10月10日打ち上げ ←イマココ

「準天頂衛星システム」というのは聞き慣れない言葉ですが、日本の真上に居る時間が長い軌道に複数の衛星を投入し、「そのどれかは常に日本の真上に存在している」ようにするシステムらしいです。本当であれば、日本の真上で静止するのが一番良いのですが、静止衛星は赤道上空じゃないと不可能なので、「準天頂」で頑張るという感じです。

で、その準天頂衛星システム「みちびき」はいったい何をする衛星なのかというと、簡単に言えば、

「日本版GPSの構築」

です。

現在、カーナビやスマホで広く使われているGlobal Positioning SystemすなわちGPSは、アメリカのシステムなんですよね。しかも、驚くべきことに、なんと1978年に始まったシステムなんです。もう40年近く経つんですね。

GPSは、複数の衛星からの電波を受信し、その衛星との距離を測ることで位置を割り出すシステムです。位置を特定するためには最低4個の衛星から電波を受信する必要があり、衛星の数が多ければ多いほど精度が上がります。現在のアメリカのGPSは、全世界を30個の衛星でカバーしており、視界が広い場所では問題なく使えますが、ビルが多い場所などでは、十分に機能しない場合があります。しかも、現在のGPSでは測定誤差が10m程度あるらしいです。

来るべき次世代のために、これらの欠点をなんとかしようと考案されたのが準天頂衛星システム「みちびき」です。2018年に現在までに打ち上げた4機で運用を開始する予定ですが、この4機が現在のGPSを補完する役割を果たします。しかも4機うち、常に3機は日本の近くに存在しているため、ビルの影になる確率も低くなります。

現在4~5つの衛星で位置を割り出していたとすると、これにみちびき3機が加わりますので、7~8つの衛星を利用できることになりますね。そのため、制度が飛躍的に上昇するとのことです。

さらに、みちびきには、もっと高精度の測位システムが搭載されており、それを利用することで、誤差6cm以下の測位が可能になるようです。GPSとは互換性がないため、専用の受信機が必要になりますが、この驚異的な精度は、いろいろな方面でも活用が期待できますね。

とりあえず2018年には4機での運用を開始しますが、最終的には7機まで増やして、現在のGPSが無くなっても独立した運用が可能なシステムになるとのことです。

いまではGPSは私たちの生活になくてはならないものになっているので、今後のみちびきの活躍に期待しましょう!

それでは今日はこの辺で。

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