2017年1月11日から延期になっていた超小型の世界最小ロケットSS-520の打ち上げが、一昨日(1月15日)鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で行われましたが、残念なことに失敗に終わりました。第1段の飛行は正常だったようですが、第2段の点火前に通信が途絶。姿勢が分からない状態での点火は危険を伴うため、断念したとのことです。
今回のロケットは超小型人工衛星TRICOM-1(約3kg)を打ち上げて、軌道投入を行う実験が目的でしたが、当然ながらそれも失敗。実験的意味合いの強い打ち上げだったとはいえ、残念ですね。
さて、この話題の中で注目する点は、「世界最小ロケット」というところです。世界最小って、どれだけ小さいんでしょう?
◆超小型ロケットSS-520諸元
全長:9.65m
直径:520mm
全備重量:2.6t
到達高度:1000km
ペイロード(最大積載量):140kg
(※Wikipediaより引用)
おお、全長は電信柱よりも短いですね! 重さも大きめのクルマぐらい?
ss-520の520は直径から来ているようですね。「超小型」という意味で「SS」かと思ったら、こちらは違うようです。
1980年に初飛行した単段式の観測用ロケットS-520をベースにして、2段式にしたのがSS-520。今回は、衛星打ち上げ用として3段式になっているので、「SS-520改」とか「SSS-520」などとも呼ばれているようです。
S-520としては、すでに29回も打ち上げを行っており、SS-520もすでに2回の打ち上げを行っています。そんなに実績があるのに、なぜ「世界最小」話題になるのか? 実は、S-520もこれまでのSS-520もあくまでも観測用の打ち上げであり、「衛星打ち上げ用」としては今回が初めての試みだったんですね。
S-520やSS-520(2段式)を使った観測用の打ち上げでは、噴射後は単に放物線を描いて海に落ち、それまでの時間を使って、様々な観測を行うだけでした。スペック的に、衛星の軌道投入は無理だったんですね。今回は、SS-520を3段式に改良したことで、4kgまでのペイロードを低軌道に投入することが可能になったとのことです。
それにしても、、、、
人工衛星が3kgって驚異ですね。昔、ドラえもんでそんな話があったような気がしますが、現実が追いついてきたってことでしょうか。
そういえば去年だったかインドのロケットに、人工衛星を106個だか搭載して打ち上げたというニュースがありましたが、小型化のなせるワザですよね。
衛星が小さく軽くなる
↓
ロケットも小さくて済む
↓
コストが大幅に安くなる
↓
たくさんの衛星や探査機を宇宙に送り込める
↓
多くの実績からより良い衛星が開発される
衛星が小さくなると、このような好循環が生まれますので、今回の打ち上げは残念でしたけど、どんどん挑戦していただきたいと思います。
最後にSS-520の打ち上げシーンの動画を載せておきますね。