新しい彗星「C/2023 A3 (紫金山・アトラス彗星)」は2024年に0等級まで明るくなるかもしれない期待の彗星!

 
今回は新しい彗星「C/2023 A3」のお話です。

2023年1月に中国南京市の紫金山天文台が、また、同じく2023年2月に南アフリカのアトラス望遠鏡が、ひとつの彗星かもしれない天体を発見しました。一時的にA10SVYRという仮の名前が付いたその天体は、へび座と乙女座の間に18等級というわずかな明るさで光っていました。

その後、それは彗星と認められ、「C/2023 A3」という符号と発見した2者の名前を冠した「Tsuchinshan-ATLAS彗星」という名前が付きました。発音が難しそうですが、「つしんしゃん-あとらすすいせい」かな? 日本語で書くと「紫金山・アトラス彗星」となるようです。

現在(2023/3/6)は地球から6.7AU(太陽-地球の距離の6.7倍)の位置、木星よりちょっと遠い場所にいるのですが、ゆっくりと太陽に近づいており、地球に最接近するのは2024年10月中旬ぐらいの予定です。まだまだ先の話ですが、今回は0等級ぐらいまで明るくなると予想しているサイトもありますので、大いに期待したいところです。

 

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彗星C/2023 A3 (紫金山・アトラス彗星)の位置が視覚的に見られるサイト

彗星が今どこにいるのか、というのはとても気になる情報ですよね。そういうのが視覚的に見られるサイトを発見したので紹介します。これ、めちゃくちゃ面白いので、ぜひ訪れて遊んでみてください。

こんな感じで表示されます。

2023/3/8現在の太陽系の惑星と彗星C/2023 A3の位置関係。「The SkyLIVE」より引用

これが今現在の各惑星と彗星C/2023 A3の位置関係です。画面の中央が太陽で、その周りに地球(Earth)や火星(Mars)などがあります。そして、右端中央にある雫型のマークが彗星の位置です。

で、ブラウザで画面上をクリックしながら動かすと、自由な角度で眺めることができますし、ホイールを回して拡大縮小するのも自由です。また、下に日付が出ていますが、これは自由に設定できるので、1ヶ月後の様子でも来年の様子でも完璧にシミュレートできます。

これだけでもすごいのですが、さらに左上にある「Animate」というチェックを入れると、ゆっくり動き出すんですよ! このサイトを見つけたとき、時間を忘れて遊んでしまいました(笑)

こちらのサイトです。

Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) Orbit | 3D Solar System Viewer | TheSkyLive.com
Visualization of the orbit of Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) in an interactive 3D Solar System viewer and simulator.

同じサイト内ですが、距離や位置図、視等級などの情報はこちらにあります。

Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) | TheSkyLive
Complete observing guide and realtime information about Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) for astronomy and science enthusiasts at all levels.

 

彗星C/2023 A3はいつ頃から観測できるのか?

彗星が近づいてきて最も気になるのは、いつ頃から観測できるのか、ということですよね。
現在は木星よりも遠いところにいますので、家庭用の観測機材で見られるのはまだまだ先です。現段階で予想されているだいたいの視等級は。以下の通りです。

2023年06月頃 17等級
2023年11月頃 16等級
2024年01月頃 15等級
2024年03月頃 13等級
2024年05月頃 11等級
2024年07月頃  9等級
2024年08月中旬  7等級
2024年09月初旬  5等級
2024年09月中旬  3等級
2024年09月下旬  1.5等級
2024年10月上旬  0.5等級

※「astro.vanbuitenen.nl」様の資料を参考にさせていただきました

C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) | astro.vanbuitenen.nl

 
これを見ると、

・望遠鏡やカメラで観測するなら2024年の7月頃から
・肉眼や双眼鏡で観測するなら2024年の9月初旬頃から

という感じですね-。

まだまだ先の話ですが、予想通り0等級まで明るくなったらすごいですね。ベガやベテルギウスに尾が生えたような感じかなー? これは楽しみです。肉眼でもバッチリ見えますし、写真で撮ったら映えるでしょうね!!

このサイトもいろんな情報が載っていますので、興味のある方は見てみてください。
Nearest approach(もっとも地球に接近するの)は2024/10/12で、軌道要素は、現在のところ、

e (Eccentricity) : 1.0002280
q (Perihelion distance) : 0.3911760
i (Inclination) : 139.12170
Ω (Longitude of ascending node) : 21.55540
ω (Argument of perihelion) : 308.48470
L (Longitude of perihelion) : 65.11883
B (Latitude of perihelion) : -30.81650
T (Time of perihelion passage) : 2460581.14050

とのことです。(後ほど日本語に訳します)

ただ、彗星って、予想通り動かなかったり突然崩壊したりすることがありますからねー、あまり期待しすぎるとガッカリすることになるかもしれません。でも、もしかしたら予想よりも明るくなって、何十年に一度の天体ショーが見られるかもしれませんので、天文ファンの方は準備だけはしておきましょう♪
 

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