「チェシャ猫銀河群(銀河団)」SDSS J103842.59+484917.7
面白記事を見つけたのでシェアしたいと思います。
地球から遠く離れた銀河団が、笑っている猫の顔に見えるというお話です。
Wikipediaにも同じ画像があったので、冒頭で引用しています。すごいですね。本当に「笑っている猫」に見えます。この構成する光のひとつひとつが銀河(たくさんの星の集合体)であり、このように多くの銀河が密集してるものを「銀河団」「銀河群」と呼ぶのですが、この猫のように見える銀河団は「チェシャ猫銀河群(銀河団)」と呼ばれているらしいです。
チェシャ猫・・・
ルイス・キャロルの小説「不思議の国のアリス」に出てくる猫の名前ですね。
こんなヤツです。
この銀河団の写真を見て、このファンタジーに出てくる猫の名前を付けるなんて、ロマンティックな人がいたもんだと思うのですが、そう言われてみればよく似ています。
このチェシャ猫銀河群はアメリカのNASAが2015年11月23日に公開したチャンドラX線観測衛星によってX線光学撮影された数多くの画像の1つに写っていたもので、公式には「SDSS J103842.59+484917.7」という名前が付けられています。
場所はおおぐま座の中なのですが、地球からなんと46億光年も離れた場所にあるため、肉眼ではもちろん、天体望遠鏡でも家庭用のものでは見ることができません。冒頭の写真は、NASAのチャンドラX線観測衛星が19時間にわたり露光した写真らしいです。
ちなみに、光学望遠鏡でもその光を捉えることはできます。wikipediaには、ハッブル宇宙望遠鏡が光学的に撮影した写真も載っていたので、シェアしますね。色が違うだけで形は同じです。
それにしても46億光年って・・・(汗)
ほとんど太陽系の年齢と同じですね。この写真は太陽系が誕生した時代の光を捉えていることになります。天体観測って、ほとんどタイムマシンのようなものだと私はいつも思っています。
不思議の国のアリスとアインシュタインが出会うところ
ちょっと難しい話で私も完全には理解できていないので、簡潔にお話しします。NASAはこのチェシャ猫銀河団のことを「不思議の国のアリスとアインシュタインが出会うところ」と記しているようです。【参考記事】
冒頭の画像を見るとわかるのですが、猫の目や鼻、その他たくさんの明るい楕円形の光はすべて私たちが住んでいる銀河系と同じような星の集合体、すなわち「銀河」です。でもよくわからないものも写っています。猫の口や輪郭に当たる「弧状」の光です。これはなんなのか?
これは、実は手前の銀河(猫の目などに当たる部分)の巨大な質量による重力によって、はるか後方にある4つの銀河の光が曲げられる「重力レンズ」効果で生じたものらしいです。
大きな質量の天体があると、空間に歪みが生まれ、重力によるレンズのようなものができることは、アインシュタインの一般相対性理論によって提言されていましたが、その現象がこの宙域で発生しているということですね。おそらく普通に円形か楕円形の銀河なのでしょうが、手前の銀河が作ってる重力レンズ効果でびよーんと円弧のように歪んだ見かけになってしまっているようです。魚眼レンズの歪み方をイメージするとわかりやすいかな?
すごいですね、そんなことが起こるんだ。というか、本当にすごいのは、46億光年も離れた場所で起こっている不思議な現象を、こうして科学でしっかりと説明できてしまっていることですね。地球人、スゲー。
それにしても、宇宙っていろんなものがあるんですね。子供の頃、漫画「銀河鉄道999」を読みながら、地球ではありえない不思議な世界にワクワクしていましたが、宇宙の旅をしなくても、現代では地球に居ながらいろんなことを知ることができます。
今度は、どんな不思議に出会えるかな?
興味がある方はこちらもどうぞ