今回はNASAの火星探査機のお話。
こんなニュースがありました。
今月打ち上げ予定の火星探査機「パーセベランス」がロケットに積み込まれたというニュースです。
2016年ごろに発表され、ずいぶん先の話だなーと思っていた火星探査機が、ついに打ち上げられるんですね!
マーズ2020「パーセベランス」ってどんな探査機?
古くは2004年のMER-A「スピリット」、MER-B「オポチュニティ」、最近では2012年の「キュリオシティ」。そんな探査機が火星に到着した際は、毎日パソコンにかじりついて送られてくる情報を楽しみにしていました。また、そんな楽しみが待ってるんですね。
今回NASAとJPLが計画してる火星探査機マーズ2020、愛称「パーセベランス」は、2012年のキュオリシティの後継機で、様々な要素が流用されていることもあり、見た目がそっくりです。
しかし、観測機器は当然ながら最新のものになっています。
プロジェクトの主要メンバーのインタビュー記事では、「(探査車は)生命の兆候を探るために設計されており、火星の地表における地質学的、化学的な状況についての理解に役立つ、数多くのさまざまな機器を載せている」とコメントしており、カメラ23台の他、火星で吹く風の音を採取する装置が2台、化学分析に使用されるレーザーなどが搭載されているそうです。「音を採取する」というが新しいですよね。火星の風の音ってどんなんなんだろ?
あと、今回新しいのは、ドローンのように空中を飛ぶヘリコプタ「インジェニュイティ」を搭載していることです。地球との通信にはタイムラグがあるため、画像を見ながら飛行させることは出来ないのですが、最初に指示を出しておくことで、あとは自立飛行して戻ってくるシステムのようです。これはすごいな。ついに火星の空にAIヘリが飛ぶのか。
探査機の打ち上げは2020年7月17日を予定しておりましたが、延期になっており、現在は2020年7月30日の予定です。
そして、目的地である火星のジェゼロ・クレーターに到着するのは、2021年2月18日の予定です。約7ヶ月の旅ですね。
マーズ2020のミッション
これまでも火星の探査機は、生命の痕跡を探るためにいろんな調査をしてきましたが、今回はそれ以外にも新しいミッションがあります。
マーズ2020「パーセベランス」の主な目的
・火星の生命の痕跡を探る
・将来地球へサンプルを持ち帰る「サンプルリターン」にも備えてサンプルを保管する
・将来の火星への有人探査に向けて、火星の大気から酸素を製造する実験などを行う
ふむふむ。
サンプルを今から保管する意味はよくわかりませんが、酸素を作る実験というのは胸熱ですね。これがうまくいったら画期的です。というか、そういう実験をやるということは、理論的には可能ってことなんでしょうね。まさか当てずっぽうでやるわけではないと思いますが(笑) 火星の大気には二酸化炭素が含まれているので、そこから酸素を作るとかそういうのではないかと思います。
愛称「パーセベランス(Perseverance)」を考案したのは中学生
ちなみに、愛称の「パーセベランス(Perseverance)」というのは、公募を行って今年3月に決定したばかりです。28,000件の応募の中から採用になったのは、バージニア中等学校の13歳の生徒さんの案だったとか。意味は「忍耐」。うん。確かに、火星の探査は孤独で忍耐が必要ですよね。
探査機パーセベランスの諸元表
探査機の諸元表が公開されていましたので、転載させていただきます。
■マーズ2020 探査機パーセビアランスの諸元
大きさ: 長さ約3m、幅約2.7m、高さ約2.2m
重量: 1025kg
搭載装置:
マストカメラ、スーパーカム
X線岩石化学測定装置
ラマン・蛍光有機物検出スペクトロメーター
火星酸素その場生成実験
火星環境観測装置
火星地下レーダーイメージャー
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」
観測期間: 1火星年(687地球日) (予定)
探査目的:
火星の太古の環境の解明
火星に過去に生命が存在したかどうかの確認
着陸点付近の地質の詳細観測
将来的なサンプルリターンに備えた火星サンプルの採取・保存
将来的な無人・有人火星探査に向けた技術開発
※月探査情報ステーション様より引用
はい、というわけで、今回は火星探査機のお話でした。
来たるべき火星有人探査に向けて、この探査機は任務はとても重要なものになりますね。どんな調査結果が出るのか、楽しみにしたいと思います!