NASAの有人月面探査「アルテミス計画」の概要。日本も参加を表明

EOS 9000Dと300mmの望遠レンズで撮影した2019/9/3のお月さん(トリミングあり)

忘れもしない1969年、人類は初めて月に降り立ちました。今年(2019年)でちょうど50年なんですね。
そんな今年5月に米航空宇宙局NASAは「アルテミス計画」を発表しました。それは再び人類を月面に送る計画です。その概要は以下のとおり。

■アルテミス計画概要
・2024年に有人月面探査を行う予定
・乗員は4人の予定
・月面に降りるのは男女2人
・成功すれば「女性の宇宙飛行士として人類史上初の月面着陸」となる
・スペース・ロンチ・システム(SLS)とという新しい打ち上げシステムを採用
・2022年までにSLSとオリオンを使った月周回軌道の有人飛行も計画

ついに、具体的な有人探査の計画が出ましたね。しかも、2024年という結構急な話です。アポロ計画で6回にわたって人類が月面に降りましたが、その最後のミッションは1972年のこと。なんと、その後47年間人類は地球以外の天体に降り立っていないのです。これはものすごく不思議なことだと思っていました。

この50年、科学は飛躍的な進化を遂げています。当時のコンピュータは、ひとつの部屋が埋め尽くされるような巨大なものだったのに、今はスマホのような小さな端末で世界のあらゆる情報が入手できるようになっています。当然、宇宙船についても、当時より簡単に安全なものが作れると思います。でも、誰も他の天体に行っていない。それはどうしてなのか? たぶん「わざわざ人間が行かなくても情報収集ができるようになってしまった」ことが1つの理由なのではないかと私は思っています。

NASAの火星探査機キュリオシティやインサイト、そしてJAXAのはやぶさシリーズを見ていると、地球の管制室があたかも現地に居るような精度で探査機を操っていますよね。


 ※火星で作業をしている火星探査機インサイト(公式ツイッターから引用)

そんな時代に再び月面を目指す「アルテミス計画」。これは、その先の火星の有人探査を見据えて行う計画のようですね。夢が広がります。とても楽しみ。
 

で、先日、この「アルテミス計画」に日本も参加するというニュースがありました。

『日本、米国の月着陸に参加 施設建設協力、正式表明へ』

これを見たとき、「お? 日本人も月に行くの?!」と思ったのですが、どうやらそういうことではなく、月を周回する居住棟の建設への協力みたいです。残念ではありますが、4名のメンバーのうち1人が日本人というのはなかなか難しいですよね。

どうか、はやぶさシリーズや他の探査機で培った技術を活かして、良い仕事をしてもらいたいですね。

余談ですが、このアルテミス計画の「アルテミス」という言葉、私は銀河鉄道999に出てきた「透明海のアルテミス」という話を思い出すのですが、それと関係あるわけはなく、ギリシャ神話に由来するみたいです。

ギリシャ神話でアルテミスというのは月の女神で、なんとアポロの双子なんですね。要するに1960年代のアポロ計画と対になる計画という意味と、「女性が月面に立つ」という2つの意味が込められているようです。

う~ん、ロマンです。2024年が待ち遠しいです!

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