今年(2021年)の3月18日、カシオペヤ座に新星が発見されました。
新星の発見自体はそんなに珍しいことではないのですが、先日さらに興味深いニュースがはいってきました。
なんと、その新星は、その後だんだん明るくなってきているようです! そんなことがあるんだ?!
カシオペヤ座の新星「V1405 Cas」とは
繰り返しになりますが、今年(2021年)の3月18日、カシオペヤ座に新星が発見されました。発見したのは日本人のアマチュア天文家・中村祐二さん。
発見時の明るさは9.6等級。その後、この新星は「V1405 Cas」という名前が付きました。
新星の場所はこのあたり。
ちょうどカシオペヤ座を延長したような場所ですね。比較的探しやすい場所です。
2021/3/18、国立天文台経由でその報告を受けた京都大学がすぐに「せいめい望遠鏡」による分光観測を実施し、新星の分析を行いました。その結果、赤色巨星を伴星とする白色矮星の表面で強い爆発が発生した「古典新星」だということが判明しました。
新星の同じ位置には、CzeV3217という視等級15の恒星があったことから、今回発見された新星は、このCzeV3217で起こった新星爆発によるものと考えられています。
ちなみに、「新星」というのは、このように既存の恒星で発生した爆発等により急激に明るくなる現象であり、「新しい星が誕生する現象」ではありません。念のため。(私は以前はそう思っていましたが(笑))
爆発現象による一時的な明るさなので、一気にぶわっと明るくなって、そのあと徐々に暗くなっていく、、、、と私は認識していたのですが、そうじゃないこともあるようです。
新星は、2021年5月10日現在、5.5等級まで増光
冒頭でもお話ししたとおり、面白いのはこのあと。なんと、新星発見から2ヶ月近く経過した今でも、カシオペヤ座の新星「V1405 Cas」は増光を続けており、5/10現在で5.6等級と肉眼でも見える明るさになってきたのです。
◆V1405 Casの視等級の変化
9.6等(3/18) → 8等前後(4月中) → 7.5等(5月初) → 5.5等(5/10)
こんなにゆっくりと増光する新星があるんですね。これはびっくりダイユウサク(←意味なし)。
さらに明るくなる可能性もあるらしいので、これは楽しみです。3等級ぐらいになってくれたら、カシオペヤ座の一部のように見えるかもしれませんね。
カシオペヤ座のα星シェダルからβ星カフを結んだ線のほぼ延長上にあって、さらにその2星間と同距離にあるのでとても探しやすいです。
今の季節、深夜のカシオペヤ座は地平線近くにあって観測しにくいですが、なんとか写真を撮りたいです。天体ショーとして記念になりますよね!
あ、V1405 Casの明るさの変化を随時確認出来るページがありましたので、シェアしておきます。気になる方はどうぞ。
ああ、今見たら5/10以降は少し頭打ちになっている感じですね。ガンバレ、新星!
今後も、なにか大きな変化があればレポートしたいと思います!