紫金山・アトラス彗星が近づいてきた! 2024年10月に最接近。今年最大の天体イベントになるか

今回は期待の大彗星「紫金山・アトラス彗星」のお話。

彗星といえば最近は、

「だ~って僕は星だ~から~♪  ステラステラ~♪」

の星街すいせいさんを思い出すのですが、今回は宇宙をかける天体の方の彗星です。

 
昨年3月にこんな記事を書いたのですが、

新しい彗星「C/2023 A3 (紫金山・アトラス彗星)」は2024年に0等級まで明るくなるかもしれない期待の彗星!
今回は新しい彗星「C/2023 A3」のお話です。 2023年1月に中国南京市の紫金山天文台が、また、同じく2023年2月に南アフリカのアトラス望遠鏡が、ひとつの彗星かもしれない天体を発見しました。一時的にA10SVYRという仮の名前が付いたその天体は、へび座と乙女座の間に18等級というわずかな明るさで光っていました。 その後、それは彗星と認められ、「C/2023 A3」という符号と発見した2者の...

そのときはずいぶん先の話だなあと思っていた新彗星「紫金山・アトラス彗星」が、だんだん近づいてきました。

なんと言っても0等級の明るさになることが予想されている彗星ですからね~
楽しみで仕方ありません。

 

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紫金山・アトラス彗星が現在9~10等級ぐらいの明るさ

前回の記事を読むと、2023年3月にはまだ木星軌道より遠いところにいて、地球から見た明るさも18等級と、天体望遠鏡でも観測が難しいような明るさでしたが、それから1年と3ヶ月が経過し、9~10等級程度まで明るくなってきているようです。順調ですね。

これぐらい明るくなれば、家庭用の天体望遠鏡で見ることができると思いますし、市販の一眼レフでも撮影が可能になります。

彗星というのは不安定な存在なので、明るさが変化したり、粉々になってしまっても不思議ではありません。無事に近づいているというのは、とても嬉しいニュースです。

最近撮影したという画像がXにも投稿されているので、いくつか紹介しましょう。

 

もうずいぶんと尾が長くなっていますね。
近日点通過までまだ4ヶ月もあるのに、こんなに尾が見えるなんて素晴らしいです。

紫金山・アトラス彗星の現在の位置

紫金山・アトラス彗星の現在の位置についてです。

太陽系内の天体の位置関係を3Dで描画してくれる「The Sky Live」というサイトで、見てみましょう。

Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) Orbit | 3D Solar System Viewer | TheSkyLive.com
Visualization of the orbit of Comet C/2023 A3 (Tsuchinshan-ATLAS) in an interactive 3D Solar System viewer and simulator.

これによると、2024/6/14現在の位置は以下の通り。

2024/6/14現在の太陽系の惑星と紫金山・アトラス彗星の位置関係 ※The Sky Liveより引用

昨年3月に見たときは木星軌道よりも遠く、土星軌道近くにいた紫金山・アトラス彗星ですが、現在は火星軌道のすぐ近くまで来ています。

少し角度を変えて拡大してみましょう。

2024/6/14現在の太陽系の惑星と紫金山・アトラス彗星の位置関係 ※The Sky Liveより引用

ほぼ真上から見た構図です。
紫金山・アトラス彗星はまもなく火星軌道という位置にいます。そして、計算では約2ヶ月後ぐらいに地球の軌道にさしかかります。

ただ、残念ながら、現在の地球は彗星から遠ざかる方向に公転しており、彗星が地球軌道にさしかかる8月ころは地球は太陽の反対側に位置しています。これはとても残念ですね。もし彗星の往来が5ヶ月早かったら、地球の近くを通過するのことになるので、夜空いっぱいに広がる彗星の尾が観測されたかもしれません。

どっちを見れば観測できる?

2024/6/14現在、紫金山・アトラス彗星はおとめ座としし座の間ぐらいにいて、夕方の空に観測することができます。

赤い丸の中心が紫金山・アトラス彗星の位置(2024/6/14 21:00)
スマホアプリ「Nebula Book」で描画

この図のように、南西の少し西側に位置しています。
といっても、今日はすぐ横に月がありますので、これから数日は月の明るさで観測は難しいと思います。

赤い丸の中心が紫金山・アトラス彗星の位置(2024/10/12 16:25)
スマホアプリ「Nebula Book」で描画

この図は、もっとも彗星が地球に近づく2024/10/12の夕方の位置です。西の空、おとめ座のスピカの少し上の方に位置しています。この日は、まだ太陽に近く、日没後1時間程度しか観測できないので、タイミングが難しいかもしれません。あと4~5日ぐらいあとの方が太陽から離れて高度が高くなるので、観測しやすいかもしれませんね。

この図で、彗星の中心から左上に青い線が伸びていますが、これが予想されている彗星の尾の長さです。本当にこんなに長い尾が見えたらすごいですよね! 楽しみに待ちたいと思います。

前述のとおり、8月ぐらいは太陽の反対側に行ってしまうため、ほとんど地球からの観測はできません。観測が再開できるのは9月からになりますが、北半球で観測ができるようになるので、9月下旬からのようです。

こちらのサイトに色々と詳しい情報が載っていますので、参考にしてください。

肉眼で観測できる紫金山・アトラス彗星の見方:大彗星となるか?
次の明るい彗星、C/2023 A3まであと1か月を切りました!☄️ 肉眼で見えるのでしょうか?いつ、どのように観測するのがベストなのか、こちらで確認してみてください!

 
それでは9月までに準備を整えて待ちたいと思います!
 

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