小惑星探査機はやぶさ2のCGイメージ 。Wikipediaより引用
小惑星探査機はやぶさ2の地球帰還は2020年12月6日
小惑星リュウグウでの探査を終えて地球へ向かっている探査機はやぶさ２の帰還予定日が決定しましたね。
2020年12月6日
です。
この日付については7月22日に公表されていたのですが、正式にオーストラリア政府の着陸許可の連絡があったのが8月10日だったということです。
着陸と言っても、実際に地球上に着陸するのは、小惑星リュウグウで採取した試料が入っているカプセルだけで、はやぶさ２自身はカプセルを地球着陸軌道に乗せて分離した後、軌道修正を行い、別の天体を目指す第二の旅に出かけます。
はやぶさ２の地球帰還最終誘導フェイズ。Jaxaの公式サイトより引用
カプセルの着陸地点はオーストラリアのウーメラ立入禁止区域。2010年に着陸した先代はやぶさのカプセルと同じですね。この地域は兵器試験地区として一般の立ち入りが禁止されていますので、着陸したカプセルが一般市民に衝突したり、悪意のあるものに横取りされてしまうような心配は（多分）ありません。
はやぶさ２の打ち上げから現在までの経緯
はやぶさ２が地球を旅立ったのはなんと2014年。もう6年前なんですね。ここでは、その6年間の出来事を簡単に振り返ってみます。
＜これまでの経緯＞
・2014年12月3日 H-IIAロケット26号機によりはやぶさ２の打ち上げ
・2015年12月3日 地球スイングバイにより、地球の軌道から離脱
・2018年6月27日 小惑星リュウグウの上空に到着
・2018年9月21日 探査ローバーのミネルバ-II1を地表に投下、着地成功
・2018年10月3日 着陸ローバー・MASCOTを投下、着地成功
・2019年2月22日 リュウグウへの1回目の着陸およびサンプル採取に成功
・2019年4月5日～ 衝突装置の分離および人口クレーター生成に成功
・2019年7月11日 2回目の着陸およびサンプル採取に成功
・2019年10月3日 ミネルバ-II2を分離。若干誤差があったため、8周の周回予定が1周で終わってしまった
・2019年11月13日 リュウグウからの離脱開始
・2019年12月3日 イオンエンジン巡航運転を開始
・2020年2月5日～ 軌道の精密測定を行い、微調整を開始
＜今後の予定＞
・2020年8月末 イオンエンジンの運転をいったん終え、軌道を精密に測定したうえで、1週間程度の軌道修正を行う
・2020年10月 精密誘導フェイズ開始
・2020年12月6日 地球に帰還。カプセルの分離・着陸
長い旅路でしたね。2014年に旅立って約６年間の旅。リュウグウまで３年半かかったのに、地球に戻ってくるのには１年なんですよね。それほど外側にある天体に行くのは難しいということなのかな？
はやぶさ２の打ち上げからリュウグウ到着までの様子がわかるCG動画があったので掲載しておきます。（この動画作成の時点ではリュウグウという名前が付いてなかったので1999 JU3と表記されています）
はやぶさ２が次に目指す天体について
初代はやぶさもカプセル投下後は別の天体に行く予定でしたが、あちこちに故障を抱え、姿勢制御に不安があったため、ギリギリまでカプセルに同行し、大気圏で燃え尽きるという運命を選択しました。思い出すだけで涙が出ます。
でも、はやぶさ２は大丈夫。ものすごく順調にここまで来ているので、まだまだ元気いっぱいです。カプセルは地球から離れたところでリリースし、本体は軌道を変えて、別の天体を目指します。
2020年7月21日に開催された宇宙開発利用部会において、次に行く天体の候補が報告されました。候補は２つ、小惑星「2001 AV43」と「1998 KY26」です。
■2001 AV43を目指すシナリオ（EVEEAシナリオ）
2024年8月 金星フライバイ
2025年12月 地球フライバイ
2026年12月 地球フライバイ
2029年11月 2001 AV43を接近探査
■1998 KY26を目指すシナリオ（EAEEAシナリオ）
2026年7月 2001 CC21をフライバイ
2027年12月 地球をスイングバイ
2028年6月 地球をスイングバイ
2031年7月 1998 KY26を接近探査
このどちらになるかは、今後の検討によるらしいです。ずいぶん長いミッションになりそうですが、新しい世界に旅立つと思うとワクワクしますね！
これらの情報は以下のサイトを参考にしています。
まずはとりあえずしっかりとカプセルを地球に届けてもらいましょう。
ガンバレ！ はやぶさ２！
