ベテルギウスは超新星爆発しない?! 謎の減光が止まり明るくなり始めた。

2020年のオリオン座とベテルギウス。写真中央上部のオレンジ色の星がベテルギウス(※Wikipediaより引用)

 
超新星爆発して消えてしまうかもしれない、と言われていたオリオン座の一等星「ベテルギウス」に、2020年2月、変化があったようです。

 

ベテルギウスの減光が止まり、増光し始めた

昨年12月に投稿した記事「ベテルギウスに超新星爆発の前兆。爆発するとどうなる? 地球への影響は?」でお知らせしたのですが、オリオン座を形成する星のひとつ・ベテルギウスが2019年秋から急激に減光していました。

ベテルギウスは全天に21個ある一等星のひとつですが、もともと少し変わった星で、見かけの明るさがゆっくりと変わっていく変光星なのです。その変域は0.0等級から1.3等級まで。もっとも明るいときは、シリウス、カノープス、アークトゥルスに次いで全天で4番目に明るい星なのですが、暗いときは20番目まで順位が落ちてしまいます。

そのようにベテルギウスは元々明るさが安定しない星ではあるものの、昨年秋から前例に無いぐらいの激しい減光が観測されました。2019年10月1日には0.6等級だったベテルギウスが、3ヶ月後の2020年1月1日には1.4等級。さらに翌月の2月1日は1.6等級となり、ついに一等星では無くなってしまいました。(一等星の定義は「視等級が1.5等級より明るい星」)

この症状は恒星の寿命が尽きて爆発する現象、いわゆる「超新星爆発」の前触れの状態とにているため、
ベテルギウスは恒星としてすでに末期であることが知られいることも手伝って、「まもなく超新星爆発か?!」と話題になっていました。しかし、2020年2月中旬、ついにベテルギウスの減光がストップし、増光に転じたのです。2月25日現在では1.5等級まで回復しています。まもなく一等星に返り咲きですね!

 

ベテルギウスは超新星爆発しない?

ということで、これまで世界を騒がせていたベテルギウスの超新星爆発騒動は杞憂に終わりそうです。このまま爆発するのであれば、増光したりはしないですからね。

近年のベテルギウスを研究していた学者は、ベテルギウスの明るさが「420~430日周期」で変化していることから、今回の減光についても、「2020年2月に増光に転じる」と予想していたそうです。過去に例を見ないぐらい暗くなってはいたものの、結局はいつも通りの変更現象だったということになりますね。

ただ、懸念材料もあります。これはヨーロッパ南天天文台のSPHEREが撮影したベテルギウスの経年比較です。

ベテルギウスの比較(2019年1月→12月)(wikipediaより引用)

2019年1月にはほぼ円形だったベテルギウスが、同年12月には下半分が欠けたような歪んだ形になっています。これは素人目に見ても健全な状態ではないような気がしますね。

減光自体も前例が無いぐらい暗くなったわけですし、何らかの異常がベテルギウスに起きている可能性があります。

超新星爆発現象は美しい天体ショーらしいので、見たいという気持ちはあるのですが、オリオン座の一角であるベテルギウスが無くなってしまうのも、個人的にはとても寂しいです。

すでに末期の星ではありますが、もう少しだけ、頑張って欲しいですね。

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