北海道では、過疎地の高齢化が深刻で、人口が少ないために公共交通機関や商店がほとんど無いにもかかわらず、自力で遠くへ買い物に行くのが困難な世帯が増えてきています。今はまだ大丈夫でも、5年後、10年後はいったいどうなってしまうのか。
そんな中、ひとつ朗報があります。今朝の北海道新聞に載っていたのですが、コンビニエンスストア道内最大手の(株)セコマは、商店がない過疎地に、小規模な直営店を展開する計画を発表しました。
う~ん、素晴らしいですね、セコマさん。題して、
「ミニ・セコマ計画」
ですね!(そのまんまだ)
(株)セコマが展開している「セイコーマート」は、もともとは北海道の酒屋関係の集まりから始まったコンビニエンスストアで、2017年現在、北海道内では最も店舗数の多いコンビニです。都市部だけではなく、他のコンビニチェーンが進出できないような田舎に店舗を出店しているのが特徴で、道内だけで1178軒の店舗があります。(2016年4月データ)
冒頭に紹介したセイコーマートの写真(実はこのブログで紹介するのが2回目)も、標茶町中茶安別(なかちゃんべつ)という、おそらく数百人しか住んでいない集落に立地しているコンビニです。
最初、よく経営が成り立つなあと思っていたのですが、主要国道と道道の交差点にあるため、それなりに交通量があり、時間帯によっては結構お客さんが来ています。セイコーマートって、地元に密着していているため、このような意外な場所に出店して成功を収めているんですね。まさに「成功マート」ですね(笑)(←セイコーマートの名前の由来)
さて、話を戻して、今回発表になった過疎化した地域に出店するミニ・セコマについてですが、概要として、次のような感じです。
【ミニ・セコマ概要】
(1)閉店した商店などの建物を再利用して初期経費を節約する
(2)売り場面積は従来のセコマの8割程度
(3)商品点数も若干少なめ(肉や魚は充実させる)
(4)営業時間は短くする
(5)定休日を作る
なるほど~。
最初この新聞記事の見出しを読んだとき、なんとなく失敗しそうな気がしたのですが、これならいけるかもしれません。ポイントは(4)と(5)です。
コンビニがうまく行かなくて閉店する最も大きな理由は人件費です。24時間営業していたら、それだけでものすごい人件費ですよね。もしその部分を抑えられるなら、それほどリスクがある投資ではないのかもしれません。
極端な例を挙げると、「営業時間は9時から17時 & 土日は休み」にした場合、店員を2名雇えば店が成立しますよね。(実際はもっと営業時間が長いと思いますが・・・) これが「24時間営業 & 年中無休」なら、3交代+休日要員で8~10名の店員が必要になると思われます。
地元からすれば、まったく店が無い地域だったわけですから、多少営業時間が短いぐらいは問題ないはずです。
2017年5月には、ミニ・セコマの第1号店を滝川市の東滝川地区に開店する予定だそうです。Aコープ東たきかわ店が閉店したため、その旧店舗を活用するらしいですね。どんな1号店になるのか、楽しみです。
【定点観測用ストリートビュー】2017/03/05現在、看板は「A-coop」です
さてさて、ミニ・セコマが北海道の地方をどのように変えていくのか、期待して見ていきましょう~