今回は雑学。
世界一長いエスカレーターと世界一短いエスカレーターのお話です。
「世界一高い山」「世界一長い川」などと違って、なかなか耳にすることのない世界一なのですが、しっかりとギネスブックには載っています。しかも、これが意外と身近にあるのです。
世界一長いエスカレーター・香港のヒルサイド・エスカレーター(中環至半山自動扶梯)
世界一長いエスカレーターは、アジアの香港にあります。「世界一長い」と言っても、単体として長いわけではなく、複数のエスカレーターが連続して設置されており、それらの合わせ技で「世界一長い」とギネスに認定されています。
その長さ、なんと800m!
高低差は135m!
23基のエスカレーターを乗り継いで昇っていき、所要時間は23分とのことです。
すごいですね。私は電車通勤をしておりますが、所要時間が15分程度です。それよりも長い・・・・
そのエスカレーターの名は「中環至半山自動扶梯」。一般には「ヒルサイド・エスカレーター」または「ミッドレベルズ・エスカレーター」と呼ばれています。
場所はここ。
800mなんてどんな大きな建物なんだ、と思ったら、建物ではなく商店街を縦断するように設置されたエスカレーターでした。Wikipediaに写真がありましたので、シェアします。
なんとも香港らしい風景ですよね。
実際に乗りながら撮影された動画もありますので、シェアしておきますね。
こういうのを見ると実際に行ってみたくなりますね(笑)
それにしてもすごいです。
設置されたのは1993年で、香港政府運輸署という日本の国土交通省に当たる機関によって建設されています。急勾配の坂が多い地区のため、近隣住民の利便性を考慮して作られたということで、法的には公共の「交通機関」という扱いになっています。
周りには多くの商店や飲食店があり、近年ではすっかり観光名所として定着しているようです。
単体で世界一長いエスカレーターはモスクワのパールク・パベーディ駅のエスカレーターか?
はい。次は「単体で」世界一長いエスカレーターです。やっぱり「世界一」といえば、単体で勝負してほしいものですよね。
でも実はこれ、情報がいろいろあって、本当に世界一長いのがどこなのか判然としません。候補はいくつかあるのですが、ハッキリと長さが記載されていないんですよね。
候補は以下になります。
(1)ロシア・モスクワ
パールク・パベーディ駅のエスカレーター 長さ約130m
【情報元】
(2)アメリカ・アトランタ
CNN本社が入っているCNNセンターのエスカレーター 長さ約62m
【情報元1】【情報元2】
(3)ロシア・サンクトペテルブルク
アドミラルチェイスカヤ駅のエスカレーター 長さ不明、高低差68.7m
【情報元】
(4)ウクライナ・キエフ
地下鉄アルセナーリナ駅のエスカレーター 長さ不明 高低差54m程度?
【情報元】
うーむ。
ネットで調べた限りでは(2)のアトランタのCNNセンターが「世界一」と書いてあるサイトが多く、しかもギネス認定されているという話ですが、おそらく情報が古いんだと思われます。
サンクトペテルブルクとキエフも長そうですが、現段階ではモスクワのパールク・パベーディ駅のエスカレーターが最も長いように感じますねー。参考元のサイトにはギネス認定されそうなことが書いてありました。
でもこういうのは時間と共に変わっていくものですし、どこかの公的機関が統計を取ってくれない限り、確実なことは言えないですね。また何か情報があったら追記しますね。
余談ですが、キエフのアルセナーリナ駅は「世界一深い地下鉄駅」なんだそうです。面白いですね! こちらはまた別の機会に詳しく紹介したいと思います。
世界一短いエスカレーター・川崎モアーズ プチカレーター
お次は短い方の世界一。世界一短いエスカレーターです。こちらは日本にあります。
神奈川県川崎市にあるショッピングモール「川崎モアーズ」の地下二階にあるエスカレーター。これは現時点でギネス認定されている正真正銘の「世界一短いエスカレーター」です。
なんと高低差が83センチしかない!
その名も「プチスカレーター」!
公式サイトにちゃんとギネス認定証と解説があります。
https://kawasaki-mores.jp/sp/petit/
延長は書いてありませんが、2mぐらいでしょうかねー。
動画もありましたのでシェアします。
これ、手前に階段ありますよね。なんで、ここにエスカレーターが必要だったんだ、、、(^_^;)
調べてみたら、しっかりと理由があるようです。
もともとは下の階に行くための普通のエスカレーターを設置するつもりで着工したものの、着工後の調査で床下に太い梁(床を支える構造上重要な部材)が存在することが判明し、工事の仕様を変更したようです。(設計事務所しっかり調べろ、って感じ(汗))
エスカレーターの設置自体を断念することも検討したようですが、せっかくなので来店者へのサービスのためにということで、途中までの短いエスカレーターを作ることにしたらしいです。
必要性は疑問ですが、これがあるおかけでギネスにも載りましたし、なによりも話題になりましたので価値はありましたよね! もしかしたらお客さんも増えているかもしれません。
こういうのって楽しいですね!
はい。
そんな世界一長いエスカレーターと短いエスカレーターのおはなしでした!