普通の一眼レフでオリオン座とオリオン大星雲の撮影にチャレンジしてみた

去年あたりからいろいろと天体写真にチャレンジしているのですが、今回はオリオン座とその中央に輝くオリオン大星雲の撮影にチャレンジしてみました。9月中旬の撮影です。

オリオン座は冬の星座ですが、9月でも深夜に地平線から昇ってくるので撮影は可能です。

私はカメラが接続できる天体望遠鏡を持っていないので、一眼レフと普通のレンズでの撮影です。しかも札幌の市街地にある自宅の窓からというあまり良い条件とは言えないロケーション。

天体写真としては褒められたモノではないのですが、そんな条件下でもやり方次第ではこれだけ撮れるという記録を残しておきたいので、記事にしてみたいと思います。



 

9月に札幌市街地から撮影したオリオン座

2021年9月12日 2:50ごろ撮影したオリオン座。札幌市内の自宅の窓から。

 
これは札幌市内にある自宅の窓から撮影したオリオン座。30mm単焦点レンズでの撮影。残念ながらオリオン座の一角であるリゲルが欠けてしまったのですが、これは時間帯の関係で家の壁の陰に隠れてしまったためです。あと30分早ければ全体が撮れたのですが、、、

機材と撮影条件は以下の通り。

カメラ:CANON EOS 9000D
レンズ:SIGMA 30mm F1.4 DC HSM
フィルター:ソフトフィルター、光害カットフィルター
撮影条件:ISO6400、F2.8、6s で撮影したものを38枚コンポジット合成

 
写真のコンポジット(加算平均)合成は Sequatorというフリーソフトを使っています。本来、カメラ固定で複数枚撮影すると、地球の自転で星がどんどんズレていくため、それを合成するとなると1枚1枚ズラしながら重ねる必要があります。でも、Sequatorは、AIが勝手に判断して全自動でズレを補正して重ねてくれるという、とてもありがたいソフトウェアです。これを導入してから天体写真の編集がとても楽になりました。

ズレていった写真を無理やり重ねているので、地上物である電柱と電線は逆にブレて写っていますね(笑)

連続シャッターは、非純正のインターバルタイマー付き電子レリーズを使っています。アマゾンで2000円ぐらいの安っぽいヤツなのですが、充分便利です。

今回は、40枚の連続撮影をしたのですが、2枚ボツになったので38枚の合成になりました。露光中に三脚がズレたみたいです。

 

上記写真のトリミング版。
 

 
電柱が邪魔だったので、トリミングしてみました。この方が見やすいですし美しいですね。
こうやって見ると、左端の一等星・ベテルギウスって独特な色をしていますね。キレイなオレンジ色です。

一時はベテルギウスが超新星爆発するのではないかと言われてましたが、なんともなくて良かったです。この美しい星がなくなってしまうのは悲しいです。



 

普通のカメラとレンズで撮影したオリオン大星雲

さて、ここまでは普通にピントを間違いなければだいたい大丈夫なのですが、ここからが難しいです。オリオン座の下部中央にあるオリオン大星雲の撮影です。

オリオン座の下半分の写真

こちらは90mmのレンズでオリオン座の下半分を撮影したものです。中央の上部に3つ縦に並んでいるのがオリオン座の真ん中の3つの星です。そして、中央の少し右にある白くモヤッと光っているのがオリオン大星雲。星雲の形がわかりにくいので、トリミングしてみます。

オリオン大星雲の写真(上記写真をトリミング)

 
写真の中央に輝いているのがオリオン大星雲です。明るい星雲なので肉眼でもその存在を確認できますが、この写真ではその形までわかりますね。

この写真の撮影条件は以下の通り。

カメラ:CANON EOS 9000D
レンズ:TAMRON SP AF 90mm F2.8 MACRO Model 172E
フィルター:ソフトフィルター
撮影条件:ISO6400、F3.2、3.2s で撮影したものを75枚コンポジット合成

 
タムロンの有名なマクロレンズ、通称「タムキュー」で撮影したのですが、1999年に発売になった古いモデルであり、デジタル用のコーディングがされてない時代のものなので、解像感がイマイチです。

また、中央の大星雲はそれなりにちゃんと写ってくれましたが、他の星をよく見ると楕円形になっているので、90mmのレンズに3.2秒の露光時間は長かったのかもしれません。今回の反省点ですね。侮りがたし、地球の自転。

でもまあ、天体望遠鏡を使わずに一般的なカメラとレンズでここまで撮影できたのは収穫です。しかも自宅の窓からの撮影です。

今後はレンズを変えたりいろいろと撮影条件を変えて試してみたいと思います。
天体写真、楽しいですね!