キャノンがデジタル一眼レフカメラの新モデル「EOS Kiss X10i」の発売日を発表しましたね。2020年6月25日です。
当初、4月の発売予定でしたが、コロナの影響で発売が延期になっておりました。この発売を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか?
私は昨年EOS 9000Dを買ったばかりなので、しばらくはカメラを買う予定はありませんが、最新の一眼レフ、特に慣れ親しんだKissシリーズは気になりますので、今回は過去のKissシリーズと比較するレビュー記事を書いてみようと思います。
キャノン EOS Kissシリーズについての雑感
いやいや、本当にEOS Kiss X10iが出るんですね。良かったです。正直、私は出ないかもと思っていました。昨年発売になったEOS Kiss X10が出た後、しばらく音沙汰が無かったので、もう「レフ」のKissは縮小していくのかなという気がしてたんです。
EOSシリーズはKiss X9の時代に、
・EOS Kiss X9i
・EOS Kiss X9
・EOS Kiss X90
・EOS 9000D
と似たようなのをたくさん出してしまい、「こんなにいろいろ出して大丈夫か?(汗)」と世間に思わせていました。
Kiss X9i はKissシリーズの最上位モデル
Kiss X9 は初心者向けに機能を少し削って重量を軽くしたモデル
Kiss X90 はX9の廉価版。X9との違いがあまりないので、必要性が不明
9000D はX9iの中身に、EOS80D系の操作性を加えた若干上位のモデル
という感じで、ちょっとずつしか違わない機種が4種類も。
X9とX90を分ける必要があったのかと今でも私は思っています。
で、そのあとEOS Kiss M が発売になったことから、「ついにKissシリーズもミラーレスにシフトするのか」という雰囲気になっていました。
ちょうど昨年のKiss X10 が出たあたりで、私も新機種購入を考えていたのですが、Kiss X10 は2年型落ちのX9i と比べて、魅力は省電力と軽量化ぐらいだったので、候補から外しました。(結果的に操作性を重視し9000Dを購入)
さらに、キャノンはRシリーズなどのミラーレスに力を入れ始めていたので、EOS Kiss X10i の発表は寝耳にミミズでしたね~。
EOS Kiss X10iの特徴
ちょっと話が逸れましたが、本題の「EOS Kiss X10i」ついです。上の話でわかるように、Kissシリーズは最後に「i」が付いているものがその世代の最上位機種になっております。したがって、昨年発売したEOS Kiss X10 よりも上位の機種になります。X10と比較するよりも、先代の「i」であるKiss X9iと比較した方がよいと思うので、そのような視点で特徴を書いてみます。
サブ電子ダイヤルとAF-ONボタンが付いた
まず、私が思うところで最も変化があったのは、背面にサブ電子ダイヤルとAF-ONボタンが付いたという点です。
これは便利です。Kissシリーズでは初実装ですね。
私はこのサブ電子ダイヤルが欲しくて、X9iではなく9000Dを購入したんです。
今までのKissも、電子ダイヤル自体は上面のシャッターの隣にありますが、マニュアル撮影をする場合、シャッタースピードと絞りの両方を調整する必要があるので、電子ダイヤルが1つだけだと不便なんですね。絞りの調整はAVボタンを押しながら電子ダイヤルを回すことになります。
これが、サブ電子ダイヤルが付くことで、
シャッタスピードの調整 → 電子ダイヤル
絞りの調整 → サブ電子ダイヤル
と迅速な調整が可能になります。
強化されたオートフォーカス。顔優先AFや瞳AFを搭載
ご家族の写真を中心にカメラを使いたい方には最高の強化ポイントではないでしょうか。今回はオートフォーカス機能がかなり拡充されています。
人物の顔を検知してピントを合わせるEOS iTR AF(顔優先)機能、そして、ライブビュー撮影の際に瞳を検出して自動でフォーカスする瞳AF機能がKissシリーズでは始めて搭載されています。
もともと、X9iあたりから、オートフォーカス機能はかなり充実しているのですが、さらに人物を写す際に便利な機能が増えました。家族のスナップ写真や、お子さんの成長の記録をとる場合はかなり有効な気がします。
ネットワーク機能の強化
あと目新しい機能と言えばネットワーク関連機能でしょうか。
スマホとWi-Fi接続して、カメラの中の写真をスマホで見たりできる機能はだいぶん前からあったのですが、今回からは、撮影と平行して自動送信できる機能が搭載されています。撮影した写真がそのままスマホにも保管されるので、すぐにSNSにアップしたりできますね。
それと、同一のWi-Fiに接続されているパソコンとあらかじめペアリングしておくことで、パソコンやクラウドへの写真データの自動転送を行えるようです。これはX10では実装しておりましたが、X9iや9000Dには無かった機能ですね。なるほど、これがあればカードを抜き差ししてデータ転送する必要がないわけですね。これは便利です。
と、大きな特徴はこんな感じです。
私としてはやっぱりサブ電子ダイヤルの実装が画期的でしたね。AF強化については、自分の意志と関係なくAF制御されるのがあまり好きじゃ無いので、あっても私は使わないと思います。
他にも強化された部分がありますが、それは下の比較表で確認してみてください。
EOS Kiss X10i、X10、X9i、X8iの基本性能比較表
Kissシリーズの比較表を作ってみました。X8iは蛇足のような気もしますが、まだ新品が手に入りますし、安いので使い方によっては需要があるかもしれないと思い載せました。
項 目 |
Kiss X10i |
Kiss X10 |
Kiss X9i |
Kiss X8i |
発売日 |
2020年 6月25日 |
2019年 4月25日 |
2017年 4月 7日 |
2015年 4月17日 |
幅x高さx奥行き |
131×102.6×76.2 mm |
122.4×92.6×69.8 mm |
131×99.9×76.2 mm |
131.9×100.7×77.8 mm |
重量 |
471 g |
402 g |
485 g |
510 g |
有効画素数 |
2410万画素 |
2410万画素 |
2420万画素 |
2420万画素 |
シャッタースピード |
1/4000~30秒 |
1/4000~30秒 |
1/4000~30秒 |
1/4000~30秒 |
撮影感度 |
ISO100~25600 |
ISO100~25600 |
ISO100~25600 |
ISO100~12800 |
連写撮影(ファインダー撮影) |
約7コマ/秒 |
約5コマ/秒 |
約6コマ/秒 |
約5コマ/秒 |
ファインダー形式 |
ペンタダハミラー |
ペンタダハミラー |
ペンタダハミラー |
ペンタダハミラー |
ファインダー倍率 |
0.82 倍 |
0.87 倍 |
0.82 倍 |
0.82 倍 |
ファインダー視野率 |
95/95 |
95/95 |
95/95 |
95/95 |
可動式モニタ |
バリアングル液晶 |
バリアングル液晶 |
バリアングル液晶 |
バリアングル液晶 |
フル充電での撮影可能枚数 |
800枚 |
1070枚 |
600枚 |
550枚 |
AFセンサー測距点 |
最大45点 |
9点 |
最大45点 |
19点 |
映像エンジン |
DIGIC 8 |
DIGIC 8 |
DIGIC 7 |
DIGIC 6 |
動画記録画素数 |
4K(3840×2160) |
4K(3840×2160) |
フルHD |
フルHD |
Wi-Fi |
○ |
○ |
○ |
○ |
Bluetooth |
Bluetooth 4.1 |
Bluetooth 4.1 |
Bluetooth 4.1 |
× |
参考価格・税込み(価格コム最安2020/6/11) |
103,949円 |
61,799円 |
※79,600円 |
51,800円 |
いかがでしょう?
やっぱり最新のX10iがすべてにおいて上回っておりますが、ボディのみで10万円越えはちょっと厳しいですね。私ならまだ手が出せません。もう少し安くなってからという感じです。この値段だと、もう少し出せば上位機種のEOS 90Dが買えてしまいますし、その型落ちの80Dならもっと安く買えてしまいます。
逆に今、X10iが出たせいで価格が下がった他の機種が狙い目かもしれません。X9iのダブルズームキットが79,600円には驚きました。(なぜかボディのみの方が高い) 4K動画が撮れませんので、そこが難点になりますが、デジタル一眼を買う人の中で4K動画を必要としている方がどれぐらいいるでしょう? ちなみに、私は動画撮影機能を使ったことがありません(笑)
あと、注目はX8iの価格です。なんと51,800円で買える?! ISO感度とAFが少し弱いですが、それでもかまわない人は「買い」ではないでしょうか??
このように、いろいろ比較してみて、自分の使い方にあった機種を探すのが良いかもしれませんね。この表には載っていませんが、Kiss X9 あたりもかなり安くなっているので、狙い目だと思います。