太い角括弧【 】や《 》、{ }の正式名称は? 「々」「ゝ」「 ̄」などの読み方、出し方(入力方法)は?

今回は文字の雑学の話です。

興味深い記事を見つけたので紹介します。
記号やあまり使わない文字の読み方の話です。

 
みなさん、どれぐらい知っていました?

「*」 アスタリスク
「!」 エクスクラメーションマーク
「…」 三点リーダー

などは私も知っておりましたが、

「!?」 ダブルダレ
「々」 ノマ
「〜」 チルダ
「〓」 下駄

など、そんな名称だったんだ、と驚きました。
というか、「下駄」とかまんまだな!
そもそも、どうやってパソコンで出すのかわからない文字もありますよね。

特殊な文字の読み方・出し方

今回はこのあたりをちょっと整理したいと思います。

 

太い角括弧、山括弧など括弧類の読み方・出し方

まずは括弧系からいきましょう。

【 】

目立つのでYouTubeや掲示板などでよく使われるこの括弧ですが、正式にはなんと「隅付きパーレン」というんですね。私は「太い角括弧」って呼んでいました(笑)
普通の括弧「()」も「パーレン」と呼ぶのでそれを知っていれば難しくはないですね。でも、括弧をパーレンと呼んでいる人は今まで会ったことがないです(笑)



これをパソコン上で出すには、カギ括弧(「 」)のキーを押して、変換すれば候補に出てきます。

 
[ ]

これは、「ブラケット」という名称らしいです。これはバーレンじゃないのか。区別がよくわかりませんね。日本語では「角括弧」という言葉も使われます。パソコン上での出し方は、上と同じで、カギ括弧のキーを押して、変換すれば出てきます。

次ですが、これがちょっと問題。

《 》
« »

上で紹介したサイトで「ギュメ」と紹介されていた括弧ですが、全角文字ではこのように大きいのと小さいのの2種類あります。全角と半角ではありません。両方とも全角です。

いろいろと調べてみたら、「ギュメ」と呼ばれる括弧は下の小さい方らしいです。私たちが文書を作成するときに使用している括弧は上の方だと思いますが、こちらは「ギュメ」とは呼ばないみたいですね。他のサイトを見ると、「二重山括弧」「二重山パーレン」という名称が載っていました。

パソコン上での出し方は両方とも上と同じで、カギ括弧の変換で出てきます。ただ、下の小さい方は「ギュメ」で変換しても出てきます。上の大きい方は「ギュメ」で変換されないので、やっぱりギュメじゃないんですよね。

 

「々」「ゝ」「ゞ」などの繰り返し文字の読み方・出し方

はい。次は繰り返し系の文字です。

 

これは「時々」「近々」「月々」など、同じ漢字を繰り返すときに使う文字で、私たちもよく見かけるものですが、これ単体で何と読むのか今まで知りませんでした。

「々」は「ノマ」

と読むそうです。

確かにATOKで「のま」と打つと候補に出てきますね。GboardとChrome OSでも出ました。(MS-IMEは出ないっぽい)
私はいつも「どう」で変換して出しておりましたが、記号の名称としては「ノマ」と呼ばれているそうです。

ただ、気を付けなければいけないのは、これは漢字ではないということです。見た目が漢字に似ておりますが、単なる記号・符号なので、「読み方」という表現は正確には正しくありません。あくまでも記号の名前が「ノマ」ということです。でも個人の名前に使うことは認められているようですね。不思議です。

なんでノマと呼ばれるようになったかというと、これは単純でカタカナの「ノ」と「マ」を並べたようなもじだからですね。この文字の由来はよくわかってないみたいです。

  

これも繰り返しをあらわす文字で、「々」が漢字一文字の繰り返しなのに対し、「ゝ」はひらがな一文字、「ヽ」はカタカナ一文字の繰り返しを表します。

「ああ」→「あゝ」
「すすめ」→「すゝめ」
「バナナ」→「バナヽ」

これも漢字ではなくただの記号です。ノマと違って、こちらは決まった呼び方はないようですね。分類的には「一の字点」というらしいです。

これ、「々」と違って、現代ではほとんど使われてないですよね。レトロタッチなポスターやアイキャッチで見ることはたまにありますが、通常の文章や書籍で見かけることはほぼありません。メールとかの顔文字とかでは見かけるかな?

パソコンやスマホでこれを出す場合、どうすればよいかなんですけど、ATOKとGboardでは「どう」と打ち込むと候補に両方出てきました。MS-IMEでは「どう」では「ゝ」しか出てこなくて、「ヽ」を出すには「くりかえし」と打って変換する必要があるようです。

 

これも繰り返し文字で上の「一の字点」の一部です。

「ゝ」「ヽ」はひらがな・カタカナのただの繰り返しでしたが、「ゞ」はひらがなの繰り返しで濁点が付いたもの、「ヾ」はカタカナの繰り返しに濁点が付いたものです。

「ひび」→「ひゞ」
「すずめ」→「すゞめ」
「スズキ」→「スヾキ」

これは前の文字に濁点が付いてなく、繰り返しで初めて濁点になる場合のみ使用されます。前の文字に濁点が付いている場合は「ゝ」「ヽ」になりますのでご注意を。

「びびりました」→「びゝりました」

こちらのパソコンやスマホでの出し方も上と同じで「どう」や「くりかえし」で変換すると出てきます。

 
 

 
 

なんと全角文字をふたつ縦に並べないと表現できない文字というか記号です。これも現代では見かけることが少なくなった記号ですが、繰り返し記号の一種です。2マス使うにしても、全角文字として出てくることに驚きです。機種依存文字ではあるようなので、もしかしたら環境によっては上の文字が見えないかもしれませんね。念のため、画像でも貼っておきます。

この記号は、上の「一の字点」に対して「くの字点」と言います。ひらがなの「く」「ぐ」を縦に引き伸ばしたような記号だからですね。

これは日本語の縦書きのときにしか使われない記号で、二文字以上を繰り返す際に使われます。「ぐ」の方は繰り返しの方に濁点が付く場合の記号です。

こんな感じ。

自分では使ったことはありませんが、使い方を覚えると便利なのかな? いや、そもそも縦書きで何かを書く機会ってほとんどないですよね(^_^;)

このくの字点をパソコンやスマホで出そうとすると、かなり難しいです。MS-IMEでは「どう」「くりかえし」で変換されますが、Gboardでは見つけることができませんでした。ネットからコピペして単語登録するしかないようですね。上半分と下半分で別々の文字になっており、字間なしで並べる必要がありますので、ご注意を。

繰り返し記号についてはこんな感じです。
あ、そうそう、これらの繰り返し記号については、総称して「踊り字」というらしいです。これは試験に出そうですね(笑)

 

「!?」「〓」「 ̄」など、特殊な記号の読み方・出し方

はい。最後は特殊な記号・符号の読み方とパソコン、スマホでの出し方です。普段見ることが多い記号でも、意外と名称を知らなかったり、入力方法を知らなかったりするんですよね。全部はお伝えできませんけど、私が気になった記号にについて、紹介していきたいと思います。

 
!?

これ、私のブログでもよく使いますし、仕事のメールでも使ってしまうことがあります。それぐらい使用頻度が高い記号ですね。

「!」は「エクスクラメーションマーク」
「?」は「クエスチョンマーク」

では、「!?」は?

なんと、

「!?」は「ダブルダレ」

という名前なんだそうです。これは、初耳です。いったいどこから来た!?って感じです。



この「ダブルダレ」という読み方の由来は、どうやら印刷業界にあるようです。印刷業界において、「!」は「あまだれ」、「?」は「みみだれ」という表現を使うらしく、それらが合わさった「?!」については、「あまだれ・みみだれ」と2つの「だれ」が並ぶので「ダブルダレ」と呼ばれるようになったようです。これは面白いトリビアですね!

ちなみに、記号の順番を逆にした「?!」についてもダレが2個並ぶので同じく「ダブルダレ」と呼ぶようです。

パソコンでの出し方はわかると思いますので割愛します。

 

これもレアな記号ですよね。日本語入力ソフトの記号の候補を見ていると出てくるので、その存在は知っておりましたが、ブログでもメールでも仕事の文書でも、これまで一切使用したことがない記号です。

これは、「下駄」と呼ばれる記号で、その由来はもちろん、下駄を履いたときの足跡に似ているからです。では、用途は? いったいどんなときに使用する記号なのでしょうか?

話は活版印刷の時代にさかのぼります。活版印刷というのは、活字(金属で作ったハンコのようなもの)を並べて、文章を印刷する技術ですが、活字はすべての漢字が網羅されているわけではなく、専門用語などの珍しい漢字を使う文章を印刷する場合、新しく活字を作ることになるのですが、その活字ができるまで、とりあえず余っている別の字の活字を裏返しにして、そのスペースを埋めたようなんです。

活字を裏返しにすると、裏側にある溝が前面に出てくるので、そのまま印刷すると、2本の横棒が印刷されるんですね。最終的な出版物には、これがそのまま残ることはないのですが、ゲラの段階ではたくさん裏返しの活字があるため、あちこちに2本の横棒が印刷されたそうです。

その2本の横棒が、この記号「〓」なのです。

どうりで、見かけることがないわけです。最終原稿に残っていることがありえない記号だったのです。そんなエラーのような記号を、コンピュータを開発した方たちは律儀に文字コードを与えたんですね。

ちなみに、まったく使われることがないわけではなく、システム上で「文字コードがない漢字」「解読できない文字」が出てきた際に、代替文字としてこの記号「〓」を出力する場合があるそうです。面白いですね!

パソコン、スマホ上での出し方は簡単で「げた」を打って変換すれば候補に出てきます。「きごう」で変換しても大体の入力ソフトでは出てくると思います。

 

これはわかりますよね。スラッシュです。いやいや、よく見てください、向きが逆じゃないです?

割り算や分数を表すスラッシュ「/」はよく使いますが、特殊な記号として逆向きの「\」というのがあるのです。これは逆向きのスラッシュなので、

「バックスラッシュ」

と呼ばれています。

一般的にはほとんど使用されることがない記号なのですが、コンピューター的には、MS-DOSのディレクトリの区切りに使われたり、「¥」が出力できない環境において、¥のかわりにバックスラッシュが使われたりしているようです。

パソコン、スマホでの出し方は簡単で、単純に「バックスラッシュ」で変換しても出ますし、スラッシュ「/」を出して、変換しても出てきます。

 
_

次は、顔文字とかでよく使う記号です「 _ 」と「  ̄ 」です。

こんな感じですね → (^_^) ( ̄◇ ̄;;

「 _ 」これは割と普段でも使いますよね。特に半角の「 _ 」はメールアドレスとか、単語の区切りとかに使われることが多いです。私はファイルネームを付けるときによく使います。

「01_picture.jpg」
「02_令和5年度資料.xlsx」

などですね。

これは「アンダーライン」「アンダーバー」などと呼ばれる記号です。元々は文字の下に書いて強調するための記号ですが、タイプライターで文字を打っていた時代は、一度強調する文字を打ってからこの記号を重ね打ちしていたため、独立した記号として用意されていました。

元がタイプライター用の記号なので、現代におけるパソコンのキーボードにもそのまま残されています。キーボードの下段の左端、ひらがなの「ろ」が書かれているキーを[SHIFT]を押しながら打てば出てきます。

ただ、スマホではこれを出すのに苦労する場合があります。私は今はGboardを使っているので、アルファベットのQWERTY配列で「f」を長押しすれば出てきます。その他のキーボードではいろんなケースがあるので、紹介が難しいですね。

はい、で、この「 _ 」に対して、「  ̄ 」は少し難しいです。そもそも、使うことが無いですからね。これは、「アンダーライン」「アンダーバー」に対して、同じように「オーバーライン」「オーバーバー」と呼ばれているのに加え、「マクロン」という呼び名もあります。

このマクロンというのは、ローマ字などの上に付して長音を表すときに使用します。「Ā」は「あー」、「Ū」は「うー」と発音します。英語では使いませんが、ローマ字以外でもラトビア語やリトアニア語でも、このマクロンを付けた文字が存在しています。

これのパソコンでの打ち方ですが、MS-IMEでは「うえ」と入力して変換すれば全角も半角も出てきます。ATOKの場合は違って、「おーばーらいん」で変換して全角が、「まくろん」で変換して半角が出てきます。また、MS-IME、ATOK共通で、[SHIFT]を押しながら「^」のキーを打って「~」を出した後に変換してもこの記号が出てきます。

 

さて、長い記事になってしまいましたが、これが最後です。上で紹介したオーバーラインと似ていますが、丸みがあります。顔文字とかでは見かけますが、普段使うことがない記号ですよね。

顔文字 → ヽ(●⌒∇⌒●)ノ

これは、主に数学で使う記号で、「弧」を意味します。例えば、円周上の点Aと点Bの間の弧は、

というふうに表現されます。

この記号の名称は、そのまんま「弧」、英語にして「アーク」などど呼ばれています。

パソコンで出すのも「こ」で変換すると候補に出てきます。ただし「こ」はたくさんの候補があるので、根気よく探してください。もしかしたら「きごう」で変換した方が速いかもしれません。

ちなみに、似たような記号で「ダブルインバーテッドブリーブ」というのもあるのですが、これは使い方が難しいので割愛します。

 
ふう。
予定通りの記号を紹介したのに予定よりもはるかに長い記事になってしまいました。書くのに4時間ぐらいかかっています(汗)

でも、こういう文字の雑学は大好物ですし、実際面白いので、これからも紹介していこうと思います。