とうきび、とうもろこし、なんばんきび? トウモロコシの呼び方の由来と北海道の方言

道の駅あかいがわで見つけたノボリ。2022年9月撮影

 
先日、赤井川村に行ったときに道の駅「あかいがわ」でこんなノボリを見つけました。

「穫れたてとうきび
「あま~いすいか

すいかは良いのですが、問題は「とうきび」
みなさん、「とうきび」ってわかります? サトウキビではないですよ? トウモロコシのことです。

北海道の人たちには普通に「とうきび」で通用しますし、普通にトウキビは「とうきび」と言います。
でも、大学生時代に関西から来た友達に「トウキビ」って言ったら、何のことか伝わらなかったんですよ。そのとき初めてトウキビが方言だと言うことを知りました。(というか、学生自体に仲が良かった関西人は貴重でした。彼のおかげで何が方言なのかよくわかりました)

で、道の駅の話に戻りますが、もちろん北海道人にはトウキビで伝わるのですが、これは方言なんだからこんな公共施設のノボリに使うのはどうかと思ったんです。あ、もちろん、「北海道らしさを醸し出すために、あえて方言を使う」という方法もあるのですが、これの場合、誤解される可能性もあるな、と。

ということで、その場でスマホを使って調べてみました。「トウキビ」ってなんぞや?!

 

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トウモロコシの語源

美味しいですよね。トウモロコシ。大好きです。
塩茹でしただけでも美味しいですし、しょうゆをかけて焼くともっと美味しいです。

そんな身近なトウモロコシですが、その語源となると結構複雑です。

まず、基本的な知識として、「とう」の意味を説明しましょう。
「とう」は中国の昔の呼び名の「唐」から来ていますが、唐という言葉には広く「舶来」という意味があります。乱暴ですが、当時の日本人は外国から来たものを全部中国から来たことにしてしまうんですね(笑) でも、この前提がないと、ポルトガルから伝わったトウモロコシの語源の説明ができなくなります。

トウモロコシはもともと中南米の原産で、コロンブスが15世紀に新大陸を発見した際に、メキシコからヨーロッパに伝わっています。そして、16世紀にポルトガル人によって日本に伝えられました。

そのとき、「モロコシ」という植物によく似ていることから、「舶来もののモロコシ」という意味で「トウモロコシ」と呼ばれるようになりました。

トウモロコシは漢字で書くと「玉蜀黍」なのですが、当時、モロコシは「唐黍」(唐から来たキビ、という意味)と呼ばれており、それで行くと、トウモロコシは「唐唐黍」となり、意味不明になることから「玉蜀黍」になったそうです。

 

トウキビの語源

でっ!

ここからが本題なのですが、16世紀にトウモロコシが伝わってきたときに、別の人は、これを「キビ」に似ていると思い、「舶来もののキビ」という意味で「トウキビ」と名付けたということです。トウモロコシという呼称が決まる前に広まっていったんでしょうね。

これが北海道の中だけの話かと思ったら、実は結構広い範囲でトウキビと呼ばれていることがわかりました。

Wikipediaによると、

北海道から北関東までの地域では「とうきび」、西日本では「なんばんきび」ともよばれる

なんと!
北海道から北関東までのエリアで「トウキビ」と呼ばれているようです。ちょっ、日本の半分近くで通じるんじゃん! しかも、「なんばんきび」という新しい言葉まで出てきました!

 

「ナンバンキビ」と日本各地での呼び方

外国からやってきたものを「唐」と呼ぶのと同じ考えで、当時、スペインやポルトガルから来たものを「南蛮」と呼ぶことがありました。

トウモロコシも前述の通り、植物としてキビに似ていることから、関西では「ポルトガルから来たキビ」という意味で、「ナンバンキビ」と呼ばれているようです。

私の友人の関西人はその呼び方を使っていなかったので、もしかしたら一部でしか使われてない言葉なのかもしれません。

先ほどの「トウキビ」もかなりエリアが広かったですが、同じようにみんながみんな使っている言葉ではないのかもしれませんね。方言は奥が深い。

で、このWikipediaによると、

『日本方言大辞典』には267種もの呼び方が載っており

なんですとー!
トウモロコシの呼び方が267種類ある?!
267ですよ、にひゃくろくじゅうなな!!

ちゃんと名前と一緒に広めないからこういうことに!!(怒)

一例を紹介すると、、、

あぶりき(福井県大野郡)
いぼきび (鹿児島県甑島)
うらんだふいん (沖縄県竹富島)
かしきび (新潟県中越地方、佐渡島など)
きび(長野県南部、鳥取県、高知県など)
きみ (北海道南部、青森県、岩手県など)

などなど

 
うーむ。
ヒネリがない呼び方もありますが(笑)、色々とありますねー。

いやいや面白いなトウモロコシ。
こんなこと書いてたらトウモロコシが食べたくなりました。

冒頭の赤井川村の道の駅もそうですが、今の時期は札幌郊外の野菜直売所に行くと、朝摘みの活きが良いトウモロコシが安く売ってます。

今日はそんなのを買ってきて茹でて食べようかな?!

 

【追記】野菜直売所で買って来ました

ということでさっそく行って来ました。
用事があって行った長沼町の野菜直売所です。

長沼町の野菜直売所で売っていたトウモロコシ

1本100~120円ぐらいです。長沼町産の産地直送トウモロコシ。
帰ってきてすぐに茹でて食べました。

買って茹でたトウモロコシ。マジデめちゃウマでした。

控えめに言いますが・・・・

めちゃくちゃ美味しかったです!!(>_<)

こんなの食べたらスーパーのトウモロコシが買えなくなります!
すごいな、野菜直売所!!
 

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