近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたと発表。「木枯らし1号」って何?

今回は気象用語に関する話題です。

今日、こんなニュースを見ました。

「近畿地方で木枯らし1号 昨日の夜以降に北寄りの風強まる」

近畿地方で木枯らし1号 昨日の夜以降に北寄りの風強まる
今日11日(土)の日本付近は低気圧や前線が東に離れ、冬型の気圧配置となりました。近畿では日付の変わる時間帯から北寄りの風が強まったため、大阪管区気象台は、本日木枯らし1号が吹いたと発表しました。昨年より2日早い発表です。

このニュースを見て一番最初に思ったこと、それは、

「木枯らし1号ってナニ?!」

です。

これ、私が知らなかっただけ?!

 

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「木枯らし1号」とは?

なんですか、木枯らし1号って。
台風1号、2号みたいに木枯らしもカウントするでしょうか?

というか、この歳(どの歳?)になって初めて聞いたのですが、最近登場した言葉なの?

ということで調べてみました。
なんと50年以上前から存在している言葉でした。私が無知はだけでしたね(恥)
でも、後述しますが、北海道の気象情報で聞くことはない言葉でもありました。

まずは「木枯らし」という言葉の意味から。
木枯らし、というと、私は松任谷由実の「木枯らしのダイアリー」を思い出したり、枯れ葉が舞う冬間近の寂しい雰囲気を感じるのですが、その木枯らしの意味は、

木枯らし(こがらし)とは、日本の太平洋側地域において晩秋から初冬の間に吹く風速8m/s以上の北寄り(北から西北西)の風のことで、冬型の気圧配置になったことを示す現象である。凩とも表記する。
Wikipediaより引用

ということです。

季節的なイメージが合っていましたが、「風速8m/s以上の北寄り(北から西北西)の風」というのは知りませんでした。東から吹いた風や西から吹いた風は木枯らしとは言わないようです。

で、

「木枯らし1号」という気象情報が出るぐらいですから、「木枯らし」は気象用語として気象庁によって定義されています。

◆東京地方における木枯らしの定義
・期間は10月半ばから11月末までの間に限る。
・気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹くこと。
・東京における風向が西北西~北である。
・東京における最大風速が、おおむね風力5(風速8 m/s)以上である。

◆近畿地方(大阪)における木枯らしの定義
・期間 霜降(10月23日ごろ)~冬至(12月22日ごろ)まで。
・気圧配置 西高東低の冬型の気圧配置。
・風向・風速 北よりの風が吹き、最大風速8 m/s以上。

Wikipediaより引用

そして、
毎年最初の木枯らしを「木枯らし1号」とよぶらしいです。

なるほどー。東京地方と近畿地方で定義が違うんですね。これは興味深い。気候が違うから、同じ定義にすると不具合があるのかもしれません。

じゃあ、北海道は?
関東と近畿の「木枯らし」はわかりましたが、北海道は?

それが、無いのです。

「木枯らし」という気象情報が発表されるのは、東京地方と近畿地方のみで、それ以外はありません。どうりで歌の歌詞以外で聞かないわけだ。

確かに日本は広いので、一年中強風が吹いている地域もありますし、季節が大きくズレている地域もあります。「晩秋に吹く北寄りの強い風」を正確に定義しようとしたら、地域ごとに細かく定めることになりますし、地域によっては「木枯らしの発表」自体が、それほど意味をなさない場所もあるでしょう。

台風や気象警報のように注意喚起するための気象情報ではなく、どちらかといえば季節の話題のような情報なので、そこまで厳密に考える必要はないのかもしれませんね。

ただ、私的に「木枯らし」は、いろんな歌の世界に登場したロマンティックな描写なので、それが北海道には無いと思うと少し寂しい気持ちになりますね(笑)

木枯らし2号・3号はある?

さて、木枯らし1号があるなら、当然「木枯らし2号」や「木枯らし3号」がありますよね、と思ったら、気象情報としては「木枯らし1号」しかないそうです。

その期間中に、同じような風が吹いたら、それは間違いなく木枯らし2号、3号、4号、、、で、その部分は間違いないのでしょうけど、気象情報として発表するのは1号だけのようです。前述したとおり、これはあくまでも季節の話題なので、なんども発表する意味が薄い、ということなんでしょうね。

 

「春一番」も同じ?

「木枯らし1号」と聞いて、私がまず思ったのは、

「あ、『春一番』と同じようなものか?」

ということです。
春の最初に吹く風が「春一番」で、冬の最初に吹く風が「木枯らし一号」なのでは、と想像したのですが、その割には、春が「一番」で木枯らしは「一号」です。統一性がないですよね。

そもそも「春一番」は気象用語なんだろうかと思い調べてみました。

春一番とは
春一番とは、冬から春への移行期に、初めて吹く暖かい南よりの強い風のことです。気象庁の定義では、2月4日ごろの立春から3月21日ごろの春分までの間に、広い範囲で初めて吹く暖かく強い南風のことをいいます。
tenki.jpより

ということで、気象庁が定義している気象用語のようです。
そして、木枯らしと同じように気象庁や気象台が発表しているようですね。
ただし、「北海道、東北、甲信、沖縄地方ではでは春一番の発表は行われていない」そうです。
Wikipediaより

ちなみに、これも私は歌の歌詞で知った言葉です。

 春一番が~♪ 掃除したてのサッシの窓に~♪ ホコリの渦を踊らせてま~す~♪

   ----「微笑がえし」by キャンディーズ

あ、念のために言っておきますが、私はキャンディーズの世代ではありません(^_^;)

いろいろ調べてみると、この「春一番」という言葉の語源は漁師の間で使われていた言葉で、1800年代に現在の長崎県壱岐島付近で、強風によって出漁中の漁船が転覆し、53人の死者を出したという事故があり、それ以来、漁師たちがこの季節の強い南風を「春一」、「春一番」と呼ぶようになったとされています。

だから、似たような言葉であっても、「木枯らし一号」とは、由来も意味も違う言葉なんですね。

いやあ、言葉の由来って面白いですね。勉強になりました!

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