KDDIが新料金プラン「povo」を発表。そのメリットとデメリット。キッズ携帯と家族間通話がネックになりそう

2021年12月2日

auの説明会用資料より引用

 
auのKDDIが新しい料金プラン「povo」(ポヴォ)を発表しました。
料金プランというか、いろいろ違いすぎるのでほとんど「新ブランド」という感じです。
ただ、既存のUQモバイルも含めて、移行するのに手数料がかからなくなるというので、シームレスな状態と言えますね。

今回は「povo」のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

 

KDDIの新ブランド「povo」の概要と特徴

ドコモが新ブランド「ahamo」を出したときから、auやソフトバンクも追従すると予想はできていましたが、それにしても今回の「povo」には驚きました。

私は過去に長い間auを利用していましたが、「値下げした」と言っても結局はなんだかんだでお金がかかる仕組みになっていて、「実質ほとんど安くなっていない」ということを繰り返された挙げ句、見切りを付けて4年ほど前にUQモバイルに切り替えました。

そういう経緯から、たとえahamoに対抗する新プランが出たとしても、なんだかんだで高くなるんだろうと思っていたので、今回の「povo」にはビックリです。やればできるじゃんって(←何故か上から目線)。



ということで、ここでは「povo」の特徴をまとめてみたいと思います。

 

KDDIが新料金プラン「povo」の概要と特徴

・「povo」とは「point of view(新たな視点)」「ab ovo(誕生と成長)」の頭文字
・サービスは2021円3月から開始
・オンライン契約専門の料金プラン。サポートもオンラインのみ
・申し込みは専用サイトからになるが、1/15現在まだ公開されていない
・auおよびUQモバイルからの移行は手数料無料。MNPの手続きも簡便になる予定
・月額料金は2,480円で20GBの1プランのみ
・20GBを超えた場合でも最大1Mbpsで利用可能
・国内通話料は30秒で20円
・現段階では4Gのみ対応だが、2021年夏に5G対応になる予定
・以下のような各種トッピングが用意されており、これからも追加される予定
・(1)月額500円で国内通話5分以内かけ放題
・(2)20GBとは別に1回200円で24時間データ使い放題
・(3)月額1500円で国内通話無制限かけ放題
・テザリングを無料で利用できる
・eSIMにも対応予定
・家族割は無い
・データの翌月への繰り越しは無い
・光回線とのセット割引は無い
・キャリアメールには対応していない
・国際ローミングは未定
・20歳以下の契約については未定
・auのSIMロック端末の対応については検討中
※価格はすべて税抜き価格
<参考>
 au新料金発表会 報道用資料
 auの「povo(ポヴォ)」、気を付けるべき点は?(ITmedia Mobile)

 
現時点ではこんなところでしょうか?

20GB使えて月2,480円。5分間のかけ放題をトッピングしても2,980円です。これは驚くほど安いですね。私もUQが値下げしていなかったらすぐに飛びついていたと思います。(UQも値下げしたので今は保留中)

ただ、注意しなければいけない部分もたくさんあります。

まず大きなところとして、オンラインでの契約専用というところがあります。
これ、オンラインで契約したらSIMカードが送られてきて、それを自分で用意したSIMフリーのスマホに挿入して設定しないとイケナイいんですよね。

これはハードルが高いです。私はわりと機械に強い方ですが、UQモバイルの最初の設定は多少苦労しました。機種ごとの詳しい説明資料とかが無いとできない人が多発するような気が。

あと、家族割が無いというのも大きいですね。家族間無料通話を利用している人も多いですし、キッズ携帯との連携もおそらくできなくなるでしょう。その部分で移行できない人も一定数いると思います。
 
 

au「povo」のメリット

それではpovoのメリットをまとめてみましょう。

 
■ 安い

まずは安いということですよね。音声通話はほとんどしない、または着信専用という方もいらっしゃいますので、そういう方には最高のプランですよね。なんせ月20GBも使えて、2,480円ポッキリ! 5分の通話をかけ放題を分離できるというのは、ドコモやソフトバンクと大きく違うところですね。

 
■ 20GBを使い切っても1Mbpsのデータ通信が可能

これもすごいです。私の使い方だと、1Mbpsで通信できれば何も問題ないので、最初の20GBが要りません(笑)
私が今使っているUQモバイルは「節約モード」にすると、300kbpsで通信できて使い放題になるのですが、動画を見なければこれで十分です。動画は少しカクカクするので、もう少しスピードがあれば良いなと思っていました。

要するに私の使い方だと、POVOなら事実上使い放題ということですね!

 
■ 200円で24時間データ使い放題トッピングは良さそう

使い方次第ですが、200円で24時間データ使い放題のトッピングは面白いですね。今日はAmazonプライムで映画を見まくるぞーとか、テザリングでパソコン用の大きなアプリをダウンロードするぞーとか、そういうときは200円払ってトッピングすればいいわけです。

週末だけ大量に通信しまくる、みたいな使い方をする人にはありがたいトッピングなのではないでしょうか? 家にパソコン用の光回線を引く必要がなくなるような気がします。

 

au「povo」のデメリット

次にデメリットです。安いというとは、当然どこかに不便なところがありますよね。
 
■ 契約もサポートもオンラインのみ

上でも書きましたが、これは結構ハードルが高いです。auショップでは一切面倒を見てくれないようです。プラン自体はシンプルなので、迷わず契約できると思いますが、自分でSIMカードを入れて、ネットワーク設定をするというのはたいていの人は不安になりますよね。



しかも、これまでauで契約していた人は、スマホのSIMロックを解除するところから始める必要があります。このSIMロック解除の手続き方法もまだ公表されていませんし、正直私ならかなり不安です。

 
■ キャリアメールには対応していない

これも困る人が入るでしょう。povoにすると、「ezweb.ne.jp」と「au.com」がついた自分のメールアドレスが使えなくなります。私はauからUQに移行したときにあきらめましたけど、このメアドをメインにしている人も結構いると思います。手放すのに抵抗がある人はたくさんいるでしょうね。

 
■ データの翌月への繰り越しは無い

これはまあ、安いし容量が多いので、わかっていれば問題無いと思いますが、povoはデータ容量を使い切らなくても翌月への繰り越しはありません。料金改定したUQモバイルには同じ価格の「繰り越しプランM」というのがあるのですが、これは月のデータ量が15GBで、余ると翌月に繰り越せます。使い方にムラがある人が、こっちの方が良いかもしれませんね。

 
■ 家族間無料通話がなくなる

シンプルなプランが売りのpovoなので、家族割という制度がありません。公式発表はありませんが、そうなると当然家族間の無料通話はなくなると思います。単身赴任の家族や、離れて暮らす子供と長電話をする人には使いにくいプランですね。

 
■ キッズ携帯の安心ナビが無くなる(多分)

これも公式発表はまだないのですが、auのキッズ携帯を利用している人が、povoに移行すると不便な点が多々出ると思います。キッズ携帯は家族割を利用してかなり安く(月500円ぐらい)契約していますので、それが通常価格になると思われます。povoのメリットが無くなってしまいますね。

しかも、家族とヒモつけすることで、GPSを利用した「安心ナビ」という子供の位置がわかるサービスがあるのですが、それが使えなくなると思われます。これは致命的です。

我が家では娘と母親がこのサービスで繋がっているで、povoは利用できないですね。

せめて安心ナビだけでも使えるようにしてもらえるとありがたいのですが・・・

 
まあ、そんな感じのデメリットが存在します。

我が家は全員auかUQなので、povoにしようと思えば簡単な手続きでできるのですが、ちょっとデメリットが大きいので、使いにくいのが現状です。

ただ、おかげでUQモバイルも安くなりましたし、子供が大きくなったら全員でpovoという選択肢もできたので、これは画期的なことだと思います。

au、よくやった!(やっぱり上から目線(笑))