54.4℃を記録した世界一暑い場所・アメリカのデスバレーってどんなところ?

2020年8月20日

アメリカ・カリフォルニア州デスバレーで54.4℃を観測

以前、このブログで「世界一寒い場所」の記事を書いたのですが、今回はその逆、「世界一暑い場所」のお話です。

連日暑いですよね。昨日(2020年8月17日)は静岡県浜松市で41.1℃を記録し、日本最高記録タイとなりました。さすがに札幌はそこまで暑くはないですが、例年とは違う「むわっ」とした暑さを感じています。

そんな猛暑は日本だけの話ではないようです。
アメリカ・カリフォルニア州にあるデスバレーで7月16日、なんと、

54.4℃



を記録しました。

一瞬なんの数字かわからなかったのですが、気温ですね気温。摂氏54.4℃。
昨日の札幌の最高気温は29.7℃ぐらい。
浜松市は41.1℃で日本記録タイ。
そしてデスバレーは54.4℃です。

なんじゃこりゃ? これ、人間が生活できる気温なんでしょうか??

世界的に気温というものが公式記録に残るのは、専門家の検証が必要とのことで、今のところまだこの気温は公式には認められておりません。でも、このまま認められれば、「世界歴代3番目に高い気温」になります。

1番目 同じくデスバレーで1913年に記録された56.7℃
2番目 アフリカのチュニジアで1931年に記録された55℃
3番目 今回のデスバレーの54.4℃

ただし、1番目と2番目はその観測方法に疑問があるということなので、もしかしたら、本当は今回の54.4℃が世界最高気温かもしれません。

アメリカ・カリフォルニア州にあるデスバレーってどんなところ?

デスバレー、直訳すると「死の谷」。とんでもなく物騒な地名ですよね。いったいどんなところなのでしょうか?

アメリカ・カリフォルニア州にあるデスバレーは、デスバレー国立公園の中心的な場所で、南北に延びる険しい山脈に挟まれた全長約225キロメートルの盆地。そのほとんどが乾燥した砂漠のような地域です。

場所はここ。

カジノで有名なラスベガスの少し西側ですね。
上空から見るとこんな感じ。

デスバレーの航空写真。Wikipediaより引用

なんか殺伐とした感じですよね。周辺の山脈との関係は以下の通りです。



デスバレーと周辺の山脈の位置関係。Wikipediaより引用

 
デスバレーのほとんどが殺伐とした世界なのですが、その最たる場所が「バッドウォーター」というエリアです。ここの地面は塩でできており、しかも、標高は海より低い-86m! 通常、海より低い場所は雨水が流れて出て行かないので湖になると思うのですが、デスバレーは極端に降水量が少ない上に、すぐに蒸発してしまうために、水が貯まらないんですね。「干上がった湖底」というイメージでしょうか。

デスバレーのバッドウォーター。wikipediaより引用

これは地球上の風景とは思えませんね、どこかほかの惑星みたいです。
でも、そんなイメージが人気を呼び、今では人気の観光スポットになっているようですね。

そんなデスバレー、昨日54.4℃を記録したように、夏場は摂氏50℃前後まで気温が上がり、とても人が住めるような場所に思えないのですが、実は古くから先住民が居たようです。最初にこの地域に先住民が居住したのは紀元前8000年頃と言われています。なんでこんな過酷な場所に住もうと思ったのか。

実は当時の気候は比較的温暖であったようなんですね、いくつかの巨大な湖もあり、狩猟の対象となる動物が数多く生息していたようです。今のような砂漠に変貌したのは西暦0年ごろだと言われています。そんな短期間に気候って変わるもんなんですよね。

定住する民族は時代とともに変化していったようですが、現在でも一部の先住民族がこの地域で暮らしているようです。

デスバレーの動く石の謎

このデスバレーで有名なのが、「セーリング・ストーン」とか「スライディング・ロック」などと呼ばれる動く石です。なんでも、砂漠の上の岩石がときどき勝手に動いているんだそうです。

セイリングストーンなどと呼ばれるデスバレーの動く石

こんな感じの跡が残っているのですが、石が動いているところは誰も居たことが無かったそうです。すごいミステリーですよね。

でも、その謎は2014年に解明されています。この動画を見るとよくわかりますので、時間のあるときにでもどうぞ。

 
いやあ、世界って広いですね。まだまだ未解明なことがたくさんありそうで楽しいです!