その昔、北海道登別市には「天華園(てんかえん)」という中国をモチーフとしたテーマパークがありました。1999年に閉園し、その後18年間の放置されていたのですが、ついに取り壊されることになったようです。テーマパークとしては人気が振るわず、存続できなかったわけですが、実は現在、天華園は廃墟マニアの間で絶大な人気を誇っています。おそらく、今回始まった取り壊しを残念に思う人は多いんでしょうね。
登別市と言えば、登別温泉という日本有数の温泉街を抱える街。毎年大勢の観光客が訪れるので、それなりに観光施設が多いです。
現存してる大きな観光施設としては、
・のぼりべつクマ牧場
・登別伊達時代村
・登別マリンパーク・ニクス
の3つが挙げられます。ニクスは我が家でもお気に入りの場所で、子供を連れてときどき行ってます。アシカやイルカのショーは最高ですし、水中トンネルも良い味を出していますね。
で、昔はこの3つに天華園を加えて、「登別4大テーマパーク」と呼ばれていました。全国から観光客が集まる巨大な温泉街を近くに抱えているため、他の3つは今でも健在なのですが、なぜ天華園はうまく行かなかったのか。
天華園は1992年4月に開業。広大な敷地に清朝の宮廷庭園を再現し、高さ約40メートルの五重の塔などもあり、その総工費60億円といわれています。本格的な中華料理店やファーストフード、ラーメン屋などの飲食店も充実しており、いろいろ調べてみたら、中華料理店は深夜2時まで営業していたようです。天華園自体は夏場でも20時ぐらいに閉園していたので、中華料理店は別の入り口があったんでしょうね。(すみません、行ったことが無いので、伝聞と推測の話になります)
初年度はかなりの人気スポットになっていたようで、来場者数27万人を記録。テーマパークが育たない北海道の施設としては、かなり優秀な数字だと思います。しか~し、その後がイケナイ。Wikipediaによると、「アトラクションやイベントに欠けたことから、リピーターが育たず」となっており、3年後の1995年には、来場者数が半分になっていたそうです。要するに、「1回見たからイイや」の施設だったってことですね。
入場料は大人で1800円、飲食店の価格も普通だったらしいので、結構良心的な施設だったようですが、短期間に何回も足を運ばせるためには、立派な建物や美味しい料理だけじゃダメなんでしょうね。プラスαの魅力が必要なんです。
そして1999年10月、天華園は閉鎖となりました。わずか7年の命でした。
北海道ではこれまでたくさんのテーマパークが消えていきましたが、「やっぱりおまえもか」という感じで消えてしまった天華園。同じ登別市内の他の3つと何が違ったのか、行ってない私には推測もできないのですが、先ほどネットで色々な画像を見て歩いた感じでは、たくさんの観光客がそこで楽しんでいる風景は想像できませんでした。なんとなく寂しいイメージがあったんですね。まあ、廃墟になってからの写真ばかり見たからそう感じただけかもしれません。
1月から解体が始まったとのことなので、数ヶ月後には更地になることでしょう。そして跡地には、メガソーラー(大規模太陽光発電施設)が出来るみたいです。
時代の移り変わりを感じずにはいられません。
p.s.
そのメガソーラーを建設するのが、中国系の会社だというのが少し皮肉ですね(笑)