消えた巨大観覧車。解体されたウイングベイ小樽の観覧車の悲哀。

2019年10月22日

   ウイングベイ小樽にあった観覧車。2003年撮影

かつて、複合型巨大商業施設ウイングベイ小樽(旧マイカル小樽)に存在していた観覧車の画像です。ぱっとこの写真を見ただけでも大きいことがわかりますが、実際、当時北海道では2番目に大きな観覧車でした。

何も知らずに一昨年(2016年)、ウィングベイ小樽に子供を連れて遊びに行ったら、、、

「あれ? 観覧車が、、無い?!Σ( ̄□ ̄ノ)ノ」



そうなんです。

マイカルの経営破綻をも乗り切ったこの観覧車も、ついに世情の荒波に耐えきれず、2015年、解体されてしまったようです(涙)

ちょっと順を追って説明しましょう。

ウィングベイ小樽はもともとマイカル北海道が運営していた巨大商業施設「マイカル小樽」で、1999年、JR小樽築港駅の貨物ヤード跡地の広大な敷地に建てられました。

  海から見たウィングベイ小樽。Wikipediaより引用

私は北海道内にこれ以上面積が広い建築物を知りません。(知らないだけかもですが)
延べ床面積が340,180㎡。ちょっとピンと来ませんが、学校の体育館で小さめなのが1,000㎡ぐらいなので、学校の体育館340個分の面積?! 要塞か。

中に入っていたのは、百貨店「小樽ビブレ」、スーパー「小樽サティ」を中心に映画館や専門店街、テーマパークやスポーツクラブ、そしてホテル「ヒルトン小樽」などなど。これ、ほとんど「街」ですね。

そんなすごい施設が出来たんだぞと、オープンから1年ぐらいは順調だったのですが・・・2年目からは伸び悩みを見せて、2001年にマイカル本体が経営破綻。

2003年から「ウイングベイ小樽」に改称して再スタートしましたが、運営やら債権やら、未だにゴタゴタしています。

で、観覧車に話を戻すと、2000年、当時マイカル小樽だったこの施設に大型観覧車「レインボークルーザー」が設置され、最初は行列ができるほど人気だったらしいのですが、次第に乗る人が少なくなり、2011年にはついに稼働休止、ライトアップのみとなりました。



その後、億の単位の維持費をかけても採算が見込まれないことから、台湾への売却が決定。2015年の9月から10月にかけて解体されたようです。

解体の様子を動画にまとめてくれた方がいらっしゃるので、参考にどうぞ。

これはすごい!!

寂しい話ではあるのですが、観覧車を壊すのではなく、移設のために解体するなんて、あまりない出来事ですので、実際の作業状況を見たかったですね~。

それにしても、これだけ大きなものを、再使用できるように解体して、台湾まで運んで、そしてまた組み立てるなんて、莫大な費用がかかったと思うのですが、それでも新品を買うよりも安いんですね。それにも驚きです。

せっかく台湾まで行ったのだから、向こうでは幸せな人生(?)を送って欲しいものです。

最後に、私が撮影した別のカットを。



   2003年秋の観覧車
  同じく2003年。鮮やかでキレイな観覧車でしたね。