福徳岡ノ場の噴火で新島出現! 幻の新硫黄島復活なるか?!

福徳岡ノ場の噴火で出来た新島。2021/8/15海上保安庁撮影。※海上保安庁のサイトより引用し画像処理

 
太平洋は小笠原諸島の硫黄島近くにある海底火山・福徳岡ノ場の火山活動が活発になっています。

ただ活発なだけではなく、なんと、新しい島まで出現したとのことです。

 
引き続き警戒は必要みたいですが、新島ができるなんてワクワクしますよね!



今回は福徳岡ノ場とその噴火でできた新島についてお話したいと思います。

 

福徳岡ノ場とは

あまり聞き慣れない言葉ですが、「福徳岡ノ場」とは「ふくとくおかのば」とほぼそのまま読みます。
これは地名で、小笠原諸島の硫黄島近くにある海底火山の名前です。島ではありません。海底にある丘陵地帯で、今回の噴火までは海面から25mの深度のところに火口がありました。

海底火山は「◎◎海山」という名前になることが多く、福徳岡ノ場も「福徳海山」と呼ばれることもあるようですが、形状が山っぽくない(円錐台みたいな感じ)ため、「福徳岡ノ場」の方が一般的のようです。

場所はここです。

 
すごい場所にありますよね。ここは日本なのか、という感じです。
住所的には東京都小笠原村なのですが、緯度的には沖縄県の石垣島よりも南にあります。

この地図のスケールで見ると、太平洋の何もないところのように見えますが、小笠原諸島の父島から約315km、硫黄島から約58km、南硫黄島から約5mと、意外と(?)近くに多くの島があります。

有史以来、度々噴火しており、島が誕生したのは今回は初めてではありません。しかしながら、これまではあまり大きな島が形成されなかったため、短期間で波による浸食のため海没しています。

1904~1905年
 1904年12月5日 新島生成を発見、高さ145m、周囲約4.5km。
 1905年6月16日 新島は高さ2.5~3mに減少、やがて礁に変化。
1914~1916年
 1914年1月25日 高さ300m、周囲11.8kmの新島出現。
 同2月12日 新島各所で決壊、高さ117m。
 1916年6月29日 新島は消滅していた。
1986年
 1986年1月20日 新島の形成。
 同3月26日 新島海没。
※海上保安庁の海域火山データベースより引用

とまあ、こんな感じで、なにかと島が定着しない火山なのです。

 

今回の新島形成

そして今回。
海上保安庁の海域火山データベースによると、2021年8月5日に噴火の前兆とも言える海面の変色が確認されており、同13日には噴煙を確認。そして、同15日には、直径約1kmの馬蹄形の島が確認されました。

南硫黄島(左)と福徳岡ノ場の噴火で出来た新島(右)。2021/8/15海上保安庁撮影。※海上保安庁のサイトより引用
新島の別カット。アルファベットのCのような形をしている。2021/8/15海上保安庁撮影。※海上保安庁のサイトより引用し画像処理

 
まだまだ標高が低いですけど。ちゃんと島になっています。



ただ、ここで噴火が止まってしまえば、今までと同じように海水の浸食を受けて海没してしまいます。西之島のように、周りの海域全体を埋め尽くすぐらい溶岩が噴出しなければ、恒久的な島にはなりません。火山にはもう少し頑張ってもらいたいですね。

 

新島の名は「新硫黄島」か

まだ島が定着するとは限らないのに気の早い話ですが、新島はどんな名前になるでしょうか?
もし、恒久的な島になる見込みがあれば「福徳岡ノ場」という地名は消えて、「◎◎島」という名称になると思われます。

位置的には、北硫黄島・硫黄島・南硫黄島が属する硫黄列島(火山列島)の一部なので「◎◎硫黄島」のような名前になると思いますが、実は、有史以来3度に渡って島が出現しているため、すでに名前が付けられております。それが、

「新硫黄島」

です。

この名前がどの程度正式に付けられたものか確認できなかったのですが、海上保安庁のサイトにも記載されていたので、それなりにオーサライズされた名前だと思います。

なので、今回も「新硫黄島」になる、に一票。

あと、もうひとつの懸念としては、あまりにも島が成長しすぎて、西之島のようにすでにある隣の島とと繋がってしまうという可能性です。なんといっても、南硫黄島まで5kmしかありませんから。

そうなったら、せっかく名前を付けても、結局「南硫黄島が大きくなった」で終わってしまうかもしれませんね(笑)

まあ、今夜はそんな夢を見ながら眠りたいと思います。