コロナ禍の緊急事態宣言で在宅ワーク中心の生活が1ヶ月近く続いておりますが、この状況で最も深刻な問題は、
油断するとすぐ太ってしまう
ということです。
普段、肉体労働ではないのですが、通勤というものがそれなりにカロリーを消費しているようで、昨年在宅ワークが3週間続いたときは5キロも太ってしまいました(涙)
で、今年は二の舞にならないように、在宅ワークの日は朝と昼休みと夕方の3回、早歩きでのウォーキングを実施。1日計1万歩になるように頑張っています。
家の近所ばかりなのですが、クルマではなく徒歩で移動すると、意外に新鮮で、新しい発見も多かったりします。
そんな先日2021年6月12日、夕方のウォーキングのときに、こんな風景に出会いました。
スマホなどの小さな画面で見るとわかりにくいかもしれませんが、写真中央やや上に細い爪のような三日月とその下に明るい星が写っています。この星は金星・宵の明星です。
最近、夕暮れになると西の空に宵の明星が輝いていることは気がついていましたが、まさかこんなに月と接近しているとは。慌てて、家に戻ってカメラを持って出直しました。
この日の月は、月齢2.0、金星は視等級3.9、視半径5.1″です。
望遠で撮影した写真も載せておきます。
金星の明るさは位置関係で大きく変わる
昨年(2020年)の5月は金星の撮影で大騒ぎしたのですが、今の金星は盛り上がりに欠けます。というのは、現在の金星は太陽の向こう側に居て、地球からかなり遠いのです。
金星と地球はそれぞれの速度で太陽の周りを公転しておりますので、近づいたり離れたりしています。最も遠いときと最も近いときで距離を比較すると6倍ぐらいの差があるんですね。この動画を見るとよく分かります。
これが太陽と金星と地球の位置関係です。2021年3月~2022年3月までの動きを2分ちょっとで見せているのですが、0:34ぐらいにこの日(2021/6/12)の位置関係になります。「太陽の向こう側」って感じですよね。
昨年の5月は地球にかなり接近していたため、一番レフの望遠で撮影したらそれなりに大きく撮れたのですが、今は遠いので、ほとんど「点」にしか写りません。昨年の接近の際の記事は以下の通りです。
こんなに遠くても視等級は-3.9もあるなんてさすがは金星です。
全天でもっとも明るい星はもちろん太陽で視等級が-26ぐらい。
次が月で、満月のときの視等級がだいたい-12ぐらい。
木星の視等級は-1.8~-2.7ぐらい。
火星は大接近の際の視等級は、-2.8ぐらい。
全天でもっとも明るい太陽以外の恒星・シリウスの視等級は、-1.46。
夏の大三角形の一角、こと座のベガは、0.03。
これらの数字を見ると金星の-3.9がどれだけ明るいか分かりますよね。全天で3番目に明るい天体です。地球への接近時には最大で-4.9程度になります。
月と金星のランデブーは月に1回程度あるが・・・
そんな金星ですが、お月さんとのランデブーのチャンスは大体月に1回程度あります。でも、金星は見かけ上太陽のすぐ側に居ることも多く、そういうときは太陽と一緒に昇ったり沈んだりしてしまうので、なかなか観測できません。
月も同じで、今回は月齢が2.0なので確認出来ましたが、月齢が1.0前後だと細すぎてほとんど気がつきませんし、太陽に近いのであっという間に地平線に沈んでしまいます。
そう考えると、今回のようにキレイな三日月と宵の明星がセットで見られるなんてかなりレアなケースですね。これも30分後には地平線に沈んでいたことでしょう。
ちなみに、星図を見ると、この日は月の左上に火星があったようですが、残念ながら写真には写っていません。現在の火星は遠いところに居るので、薄暮の時刻だと目視が厳しいですね。
この日はたまたまこの天体ショーを見ることができましたが、今後はしっかりとスケジュールを把握しておかないといけませんね(笑)