水害でも大丈夫!「FOMM ONE」 水に浮いて移動できる水陸両用電気自動車。2020年日本へ

2022年6月10日

今回は東京モーターショー2019に出展された電気自動車の話題です。

近年、日本のあちこちで災害が起こっていますが、今年の台風19号やその後の大雨による水害はものすごいインパクトがありましたよね。家やクルマ、そして新幹線までもが水に浸かっていたという・・・。普段、普通に暮らしている街がこんな状態になってしまうのかと思うと恐怖以外の何物でもありません。

そんな中で今月下旬に東京モーターショー2019があったのですが、こんなクルマが展示されていたようです。なんと夢の水陸両用車!



これはFOMM(フォム)というベンチャー企業が開発した「FOMM One」という電気自動車です。日本国内では規制の問題から発売できていないのですが、雨期に洪水が頻発するタイでは今年発売したようです。

いろいろ特徴があって面白いクルマなのですが、最大の特徴は、

水に浮く

ということです。

なんでも、車台がバスタブのようになっているらしいです。底面に穴が1つもないんでしょうかね? 不思議です。車輪のシャフトはどこから出てるんだとか、いろいろツッコミたいところですが、ちゃんと解決してるんでしょうね。

で、このクルマ、浮くだけではなくちゃんと水上を移動できるのです。すなわち、

水陸両用車

ということですね。アニメやSF映画でしか見られなかった水陸両用車がついにこの世に現れたのです。

水の上では時速4Km弱のスピードしか出ないようですが、あくまでも災害時の緊急用という扱いですので、十分ですよね。まさかこの機能を利用して川を渡って通勤しようなんて人は居ないと思います(笑)

で、探してみたら、FOMM ONEが水上を移動している動画があったのでシェアします。

いや、あの、これ、沈み過ぎじゃ・・・・(汗)



これじゃ、「水上走行」ではなく「水中走行」ですね。(^_^;)

FOMM Oneの水上走行(動画のキャプチャ)

これだけ沈んでも大丈夫ってすごいですね。どれぐらいの時間浸かっていても大丈夫なんだろう??

で、水上走行のためにスクリューでも付いているのかと思ったのですが、そうではないんです。このクルマ、エンジンルームにモーターがあるのではなく、前輪のホイールの中にモーターがあるらしく、水中ではそのモーターが前方の水を吸い込み、後方にはき出して進んで行くようです。詳しいメカニズムはわかりませんが、すごいギミックですね。

あと、画像や動画を見た感じものすごく車体が小さく見えますが、実際に小さくて、全長約2.6m、横幅約1.3mと一般の軽自動車と比べても二回りぐらい小さいです。でもでも、なんとこのサイズで4人乗りなんです! これにはびっくり。おそらく後ろに大人2人が乗るのはかなり厳しいでしょうが、無いよりは良いですよね。

水害で困っている今の日本でタイムリーに展示されたこのクルマですが、そもそもFOMMの社長の鶴巻日出夫さんは、2011年の東日本大震災の惨状を見て、このクルマの開発を手がけたそうです。「災害でも大丈夫」というよりは、最初から「災害用に作られた」クルマと言うことですね。

日本の規制をどうクリアしていくのかはわかりませんが、2020年春に日本に導入できそうだということです。これは楽しみですね。乗用車の新たな選択肢として期待したいと思います。

 
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