私がフォトグラファーとして表現したいもののひとつに、「色彩」というものがあります。自然界に存在している素晴らしい色彩を、”カメラ”という手段と”写真”という媒体と使って表現したい、と私は常に思っています。
そんな私の前に、その写真は現れました。
なんだこれは!! これは現実世界の写真なのか?!
これを見たとき、私は本音でそう思いました。
この写真はイランのシーラーズ市にあるモスクのひとつ「マスジェデ・ナスィーロル・モルク」の内部の写真です。イランの写真家 ハマド・レーザ・ドミリさんが撮影したもので、結構有名な写真らしく、調べたらネットのあちこちで紹介されていました。
このマスジェデ・ナスィーロル・モルク(ナスィーロル・モルク・モスクと表記されることもある)は、ピンク色のタイルが多用されている事から、ピンクモスクとも呼ばれており、シーラーズ市の観光名所のひとつでもあります。ガージャール朝の統治者の命令によって、1876年から1888年にかけて建てられました。
このピンクモスクは、各所に美しい造形が見られるのですが、もっとも美しいと言われているのが西側の礼拝堂。しかも、朝の早い時間だけしか、その美しさを味わうことができません。その時間帯は、壁一面にあるステンドグラスから朝日が差し込み、床のペルシア絨毯にカラフルの模様を浮かび上がらせます。その様子が、上の写真です。魚眼レンズで撮影しているので、不自然な歪みがありますが、ステンドグラスが作り上げる模様が緻密に計算されたものであることが分かります。
Wikipediaにも写真が掲載されていたので紹介しますね。
本当に綺麗です。
陳腐な言葉しか出てきませんが、他に表現のしようがありません。どういう感性の人がデザインすればこんな建物ができるのか。
圧巻です。もう言葉も出てきません。
これが1800年代の建築物と言うのがシンジラレマセン。
実際に、自分の目で見てみたいです。
モスクとは、簡単に言うと、イスラム教の礼拝堂のことです。アラビア語で「ひざまずく場所」という意味の「マスジド」という言葉が、英語圏に伝わるまでに何度も訛って「モスク」になったそうです。(訛りすぎだ)
モスクは、イスラム教徒にとって生活の中心とも言える施設なので、その長い歴史の中で、常に市街地形成の中心となっていました。現在でもどこの街角でも見つけることができます。
そして、このマスジェデ・ナスィーロル・モルクが統治者の命令で建てられたように、その国や王の権威を示すため、必要以上に豪奢な造りになったものもあるようですね。
ちなみに、デザインに凝ったモスクは他にもたくさんあって、その中でも有名なのが、同じくシーラーズ市にある「シャー・チェラーグ廟」です。これは、色が付いた鏡を使ったモザイクデコレーションが施されいる、珍しいモスクです。
この鏡による装飾が行われたのが14世紀だと言うから驚きです。
いやあ、こういうのを見ていると、イランのシーラーズに行ってみたくなりますね。とりあえず、今年のゴールデンウイークにでも、
GoogleMapのストリートビューで行ってみよう(爆)