サイエンス

宇宙・天体観測

惑星テイアとは? 地球に衝突してその破片が月となったジャイアントインパクト説の仮説上の惑星

「テイア」という惑星をご存じでしょうか? 英語で書くと「Theia」です。「ティア」ではありません。「て・い・あ」です。 2006年に冥王星が惑星でなくなって以来、太陽系の惑星は8個しかありません。 水星・金星・地球・火星・木星・天王星・海王星 この8つです。 おそらく海王星の外側にもうひとつ結構大きな惑星が存在するはずなのですが、現時点ではまだ発見されていません。付近の小惑星の軌道の歪さから推測...
宇宙・天体観測

小惑星ベンヌのサンプルが入ったカプセルが9/24に地球へ。小惑星探査機オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)【NASA】

今回はNASAの小惑星探査機オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)のお話。現在、オサイリス・レックスは小惑星ベンヌから採取したサンプルを抱えて地球に向かっています。サンプルの地球到達は2023/9/24。明後日です。 って、、、 ずいぶんとブログの更新をサボってしまいましたね(汗) 以前のようにはいきませんが、少しずつペースアップしていきますね。   小惑星探査機オサイリス・レックス(OSI...
宇宙・天体観測

新しい彗星「C/2023 A3 (紫金山・アトラス彗星)」は2024年に0等級まで明るくなるかもしれない期待の彗星!

今回は新しい彗星「C/2023 A3」のお話です。 2023年1月に中国南京市の紫金山天文台が、また、同じく2023年2月に南アフリカのアトラス望遠鏡が、ひとつの彗星かもしれない天体を発見しました。一時的にA10SVYRという仮の名前が付いたその天体は、へび座と乙女座の間に18等級というわずかな明るさで光っていました。 その後、それは彗星と認められ、「C/2023 A3」という符号と発見した2者の...
サイエンス

異常震域とは? 震源地から遠い地域の方が震度が大きくなる不思議な深発地震

この図は、2022年11月14日の17時09分頃に発生した地震の震度分布です。 これを見ていくつかオカシナことに気がつきませんか? まず1つ目は、最大震度が4なのに、えらく広範囲が揺れていること。 まあこれは、震源が深ければあり得ることなので、それほど不思議ではありません。 問題は次。 図の赤い「×」は震源地で、三重県の沖になります。でも、最大震度を記録しているのは、福島県と茨城県なのです。 震源...
宇宙・天体観測

DART計画成功!衝突の瞬間の映像や衝突後の小惑星の軌道について

先日、NASAが勧めているDART計画のお話を書きましたが、そのミッションが終了し、無事成功したことが確認されました。 いやあ、素晴らしい。これで条件付きではありますが、将来地球が小惑星と衝突しそうになったとき、回避する方法がひとつ確立したことになります。歴史的な快挙ですね! 今回は、そのDART計画の概要のおさらいと、衝突の瞬間の映像、その後の小惑星の動きなどを紹介したいと思います。   DAR...
宇宙・天体観測

小惑星の軌道を変えろ! 探査機DARTを小惑星ディモルフォスに衝突させる実験、9/27に実施

今回は地球を小惑星など天体の衝突から守るためのNASAのプロジェクト「DART計画」のお話です。   地球は常に危険にさらされている 地球の周りにはたくさんの小惑星がびゅんびゅん飛んでいます。飛んでいる、というよりは、一緒に太陽の周りを回っている、という表現が正しいですね。といっても、みんなお行儀良く同じ方向に向かって移動しているわけではなく、細長い楕円形の軌道だったり、惑星や衛星の引力で不規則に...
宇宙・天体観測

探査機エウロパ・クリッパーが完成。その目的と探査計画。木星の衛星の海と地球外生物を調べる旅へ

これは私が2020年に撮影した天体写真です。中央に写っている大きな明るい星は木星。その両側に2つずつ小さな星がありますが、これがガリレオ衛星とも呼ばれる木星の四大衛星で、左からカリスト、イオ、ガニメデ、エウロパという名前です。 今回はこの右端の衛星「エウロパ」を探査するための探査機「エウロパ・クリッパー」のお話です。   NASAの探査機エウロパ・クリッパーが完成 昨日のニュースですが、NASAが...
宇宙・天体観測

史上初、小惑星エレクトラに3つ目の衛星を発見。2つ以上の衛星を持つ小惑星一覧

今回は小惑星の衛星のお話。 一昔前、小惑星には衛星は存在しないと言われていたのですが、近年の観測技術の向上により、今では何百もの衛星が発見されています。 そして新たに3つの衛星を持つ小惑星が登場しました。 今回は、3つ目の衛星が発見された小惑星 エレクトラの話と、2つ以上の衛星を持つ小惑星の一覧を掲載します。 小惑星エレクトラに3つ目の衛星を発見 これは、チリのパラナル天文台にあるヨーロッパ南天天...
宇宙・天体観測

中国の探査機・玉兔2号が発見した月の裏側の神秘小屋の正体はニンジン付きウサギだった?!

中国の月面探査機「玉兔2号」が月の裏側で大発見をしたようです。   12月、玉兔2号が月の裏側でモノリスのような四角い建造物を発見 話は昨年にさかのぼります(と言っても1ヶ月前ですが)。2021年12月3日、中国の探査機の管制などを行っている「北京航天城」が運営するメディア「Our Space」の公式ブログが、現在稼働中の月面探査機「玉兔2号」が撮影した月の裏側の写真を公開しました。 これです。 ...
宇宙・天体観測

レナード彗星、2021年12月12日に明るさのピーク。約4等級で肉眼でも観測可能に。【追記】最接近時の彗星の位置図追加

彗星が近づいています。 肉眼でも見える明るさになると予想されています。 2021年12月が観測のチャンスなので、興味のある方は見逃さないようにしましょう。 その名は、 「レナード彗星」 です。   レナード彗星(C/2021A1)のピークは2021年12月12日 レナード彗星の概要は後ほど説明するとして、とりあえず、いつ見えるのか、というお話をしましょう。 今日(11月30日)現在も深夜0時ぐらい...