パソコンのメモリを増設したらStable Diffusionの画像生成時間が半分近くになった話

先日、グラボなしのデスクトップPCにStable Diffusionを無理矢理インストールしてみた、という記事を書いたのですが、

今回はその続報です。



前回、予想通り画像生成で時間がかかったため、改善策の1つとしてデスクトップPCのメモリを増やしてみました。今回はメモリの増設よって、画像生成速度がどう変化したかをレポートします。使用したパソコンは、

CPU:Intel Core i5-9400
RAM:8GB(DDR4-2666)
ストレージ:SSD 256GB+HDD 1TB
グラボ:なし

です。

元は8GBしかRAMを積んでなかったため、画像生成AIを使用するのはスペック不足なのはわかっていました。画像生成中にリソースモニターを見ると、95%ぐらい使用していましたし、パソコン自体に相当負荷がかかっている状態でしたね。(本来、Stable Diffusionは10GB以上のVRAMを搭載したグラフィックボードを推奨しているのに、それを無理矢理8GBのメインメモリで代用していたので、そもそも無理があった)

幸い、メモリスロットが1つ空いておりましたので、同じ規格(DIMM DDR4-2666)の16GBを購入し、自分で差し込みました。楽天で3,800円ぐらいでした。

デュアルチャンネルを意識して1枚目のメモリと同じ8GBを差した方が良いのか悩みましたが、それでまだメモリが足りなかったら無駄になりますので、今回は量を優先しました。これで8GB+16GB=24GBとなりました。

増設してパソコンで立ち上げたときの第一印象としては、まず「速い!」です。画像生成AIとか関係なく、ブラウザも他のアプリもサクサク動くようになりました。それまで特にスピードに不満はなかったのですが、やっぱり普段使いでも8GBじゃ足りなかったってことですね。

そして注目は画像生成AI「Stable Diffusion」がどれぐらい速くなるかです。

前回の記事で紹介した、7分33秒で生成した画像(512×512、Sampling Steps 20)を、同じ条件でもう一度生成してみました。

すると、

7分33秒 → 3分55秒



という具合に、メモリが8GBのときの半分近くに短縮されました。

この画像です。

 
その後もいろいろな画像で試してみましたが、512×512の画像をSampling Steps 20で生成した場合、4分ぐらいで生成できています。メモリ増設前は7~8分かかっていた画像なので、所要時間が半分近くになっていますね。これなら十分実用に耐えます。

生成時間:4分09秒
解像度:512×512 Sampling Steps:20
モデル:Anything v5
生成時間:4分04秒
解像度:512×512 Sampling Steps:20
モデル:BerryArtify
生成時間:4分09秒
解像度:512×512 Sampling Steps:20
モデル:Beautiful Realistic Asians v7
生成時間:4分01秒
解像度:512×512 Sampling Steps:20
モデル:Beautiful Realistic Asians v7

 
リソースモニターでメモリの使用状況を確認したら、Stable Diffusionのみを使っている状況だと11GBぐらいしか使われていませんでした。おそらく生成する画像が大きくなると増えるのだと思いますが、結果論としては24GBではなく16GBでも良かったことになりますね(笑)

使用したパソコンのCPU、Core i5-9400は、PassMarkで9300ぐらいの処理速度です。今の主流のパソコンは、PassMarkが15000ぐらいなので、それと比べると貧弱なデスクトップですね。でも普段使いにはまったく不満はありません。ブラウザもOfficeもサクサク動きます。

しばらくはパソコンを更新する予定はありませんが、次に買うときはグラボを積んだゲーミングPCにするか、グラボなしのハイスペックCPUマシンにするか悩むところです。グラボがなくても、PassMarkが30000台のCPUであれば、単純計算で画像1枚1分ぐらいの生成速度になりそうなので、そのあたりが落とし所かもしれません。ゲーミングは消費電力が大きすぎて普段使いでは無駄が多すぎますね。

まあ、しばらく今の環境でいろいろ試してみて、AIによる画像生成の可能性を探っていきたいと思います。今後、うまくビジネスに活用できる目処が立てば、高価なパソコンに投資しても良いのかもしれません。