1970年代の千歳空港の航空写真（衛星写真）を見つけましたので、シェアします。
1975年の千歳空港の空中写真 Copyright © 国土画像情報（カラー空中写真） 国土交通省 Wikipediaより
※クリックで高解像度画像（3228 × 4265px、4.71Mb）が開きます
Wikipediaって、わかってはいましたけどすごいところですね。こんな資料が眠っているなんて。この画像は国土交通省が提供しているもので、著作権者は「国土画像情報（カラー空中写真）」となっておりますが、再配布および二次使用が認められております。
ちなみに、Wikipediaに掲載されていた高解像度画像は、容量がなんと50Mbもあり、会社で開こうとしたら、回線が細かったためダウンロードに30分以上かかりました（笑） さすがにそこまでの解像度と低圧縮は必要ありませんので、このブログに転載するにあたって、一辺の長さを半分にし、jpg圧縮率も高めにしてあります。そのため容量が1/10以下になってます。
さて、まさにタイムトラベルしたような写真ですが、少し解説しておきますね。
まず、この1975年の千歳空港は、現在の新千歳空港とは場所が少し違います。ここに載っている空港はあくまでも旧千歳空港であって、新千歳空港は、1988年にこの空港の南東側（上の画像で右下の位置）に新設されています。
この写真に載っている千歳空港は、もともと航空自衛隊の千歳基地であり、民間の航空会社が間借りするような形で運用されていました。1988年に新千歳空港が開港し、民間航空がすべて新空港に移ったあとも、この（旧）千歳空港は、自衛隊の千歳基地として航空自衛隊の管理で運用されています。
上の写真の中央より少し右よりの上の部分に空港ターミナルビルがあるので、その周りをトリミングして拡大したものが次の写真です。
1975年の千歳空港の写真（ターミナルビル周辺拡大）
まず注目していただきたいのは、ターミナルビルの左側のエプロン（駐機場）の部分です。なんと、ボーディングブリッジ（飛行機への搭乗橋）が６個しかありません。これには驚きです。
現在の新千歳空港は、国内線ターミナルに１８個、国際線ターミナルに５個のボーディングブリッジがありますが、それでも足りなくて困っている状態です。1975年時点での千歳空港にどの程度の便数が就航していたかは調べてないのですが、よく６個のブリッジで運用できていたなと思います。
次にターミナルビルの右側に注目してください。現在と同じ位置に国道３６号線があり、そのすぐ右側に国鉄千歳線が走っています。走っていますが、、、、なんと、駅がありません！
今ほど便数がなかったとはいえ、北海道の航空路の大部分を背負っていた千歳空港のすぐ横に国鉄線が走っていて、何故駅がないのか？！ 調べてみると、いろいろと面白い話が出てきました。
実際には、1980年10月に国鉄千歳線に千歳空港駅が新設（上の写真の赤丸の部分）されています。これはもともと石勝線との分岐のための信号所となる予定の場所だったようで、千歳空港が移転した後も南千歳駅として現在も残っています。
で、この千歳空港駅の新設は、
国鉄初の空港連絡駅
となったそうです。
なんと、千歳だけではなく全国のどこにも国鉄の空港連絡駅が無かったんですね！ これはびっくりです。
更に調べてみると、こんなことも書いてありました。
（千歳空港駅の開業は）
国鉄の鉄道を空港を介して航空機と連帯運用する「鉄空一貫」思想への転換によるもの
これはすごい。要するに、それまでの国鉄には、
空港に航空機利用者を運ぶという思想自体が無かった
ということになります。なんてこった。商売仇ってこと？
今考えると信じられませんが、当時はそれが常識だったのでしょうか？
さて、話の方向がおかしくなってしまいましたが、最後に、現在の千歳空港付近の衛星写真を紹介します。
2015年前後の千歳基地周辺 Googlemapより引用
Googlemapから引用した衛星写真ですが、おそらく2015年前後ものだと思われます。上の1975年のと比較すると、右下に新千歳空港が出来ているのが分かりますね。こうやってみると、新千歳空港と千歳基地は、千歳市の中でものすごい面積を占めていますね。
これからどのような発展を見せるのか？ 楽しみに見てきたいと思います。
＜参考サイト＞
・Wikipedia（千歳基地）
・Wikipedia（空港連絡鉄道）
・Wikipedia（南千歳駅）
・Wikipedia（千歳線）
