かつて石狩市にも油田があった。石狩油田の最盛期と衰退。その歴史を未来へ

2020年4月21日

今回はかつて石狩市にあった油田「石狩油田」のお話です。

「え? 北海道に油田なんてあったの?!」

と思う方もいらっしゃると思いますが、あるんです。石狩油田だけではありません。道内の何カ所かにありましたし、今でもまだ一カ所残っています。

あ、北海油田というのがありますが、それは違いますよ? 北海油田はイギリス沖にある油田です(笑)


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石狩市・いしかり砂丘の風資料館にその模型はあった

先日、私のパソコンの中に入っている過去の写真を整理していたら、こんな写真が出てきました。

いしかり砂丘の風資料館に展示されている石狩油田の模型(2017年10月撮影)

2017年に石狩市の資料館「いしかり砂丘の風資料館」を訪れた際に撮影した写真です。石狩市にかつて存在した石狩油田の模型です。これを見たときの私の感想はまさにこうです。

「え? 北海道に油田なんてあったの?!」

この模型は、札幌市北区に住む岩本龍夫さんが制作して石狩市の資料館に寄贈したものだそうです。岩本さんは、父親が油田の関係者で、子供の頃は石狩油田の近くに住んでいたそうです。油田が閉鎖されて半世紀が過ぎ、油田があったことを知らない人が多くなってきたため、「油田の歴史を残したい」ということで、「石狩油田史」を自費出版したり、模型を作ったりしたそうです。

このあたりのことは、当時の新聞の写しが模型の下に貼ってあったので、写真に撮ってきました。興味がある方は参考にしてください。

資料館に模型が寄贈された際の新聞記事

 

石狩油田はいつ、どこにあった?!

さて、その石狩油田について説明したいと思います。
石狩油田の歴史はかなり古く、安政5年(1858年)まで遡ります。江戸時代の話ですね。安政5年に函館奉行所の役人が、海岸に油が流れ出ているのを発見し、その近くの山の中に油田があることに気がつきました。場所は石狩市の五の沢地区から八の沢地区のあたりです。

地図で示すとココ。

 
明治36年(1903年)からは、横浜のインターナショナル石油会社が油田開発を行い、明治44年(1911年)からは、日本石油株式会社に譲渡され本格的な操業が開始されました。

同じ頃、石狩油田の石油を製油するため、日本石油は軽川駅(現在の手稲駅)の近くに製油所を建設しました。昭和3年(1928年)には、石狩油田から軽川駅の製油所まで、なんと30kmのパイプラインが完成したそうです。石狩市と手稲の間にそんなものが敷設されていたなんて驚きです。

その翌年である昭和4年には、年間産油量10,000キロリットル、油井188抗、従業員250人を抱える油田に成長しました。しかし、それが石狩油田のピークだったようです。

もともと埋蔵量が少ないことがわかっていましたが、徐々に産油量が落ちていき、その10年後には年間産油量がピークの半分になってしまいました。

昭和20年(1945年)、太平洋戦争の空襲で製油所の石油タンク7基と工場焼失。
昭和30年(1955年)、年間産油量が1,800キロリットルを下回る。

そして、昭和35年(1960年)、58年にわたって石油を産出した石狩油田は幕を閉じました。累計産油量は158,111キロリットル。この数字は平成になってから勇払油ガス田に抜かれるまで道内最多でした。

いやあ、すごいですね。こんな身近にそんな油田があったとは。模型を寄贈してくださった岩本さんがおっしゃるとおり、これは忘れてはいけないことだと思います。創業して廃田するまでの58年間にいろんなドラマがあったんでしょうね。

私も出来る範囲でこの油田のことを伝えていこうと思います。

 

北海道にあった油田一覧

札幌市のすぐ近くにこんな油田があったことはもちろん、北海道に油田があったことも知らなかったのですが、北海道の油田はココだけではありません。他にもあったし、今もあるんです。

厚田油田

石狩油田の西側の海岸近くにあった油田です。あまりネット上にも情報がないので、詳しいことはわかりません。明治時代から試行錯誤していたようですが、日本石油により本格的な産油がスタートしたのは昭和6年(1931年)だそうです。昭和36年(1961年)、枯渇により廃田。

茨戸油田

なんと札幌市内です。うちのご近所ですね。札幌市北区の茨戸地区にあった油田です。昭和31年(1956年)から石油資源開発株式会社によって調査がスタート、石油の存在が確認されました。昭和33年(1958年)の3号井では地下400mに有力な油層が発見されて、本格的に油田が稼働。その後、国鉄篠路駅までパイプラインが敷設されるなど華やかな時代もありましたが、昭和46年(1971年)、資源枯渇のため廃田しました。

勇払油ガス田

苫小牧市にある油ガス田。道内唯一、現在も稼働している油田です。比較的新しい油田で、平成6年(1994年)石油資源開発株式会社が開発をスタート。ガスの産出の方が多いですが、原油も1日当たりの平均生産量が619キロリットルと、道内の過去の油田と比較にならないぐらい規模が大きいです。ガスはなんと札幌や小樽までパイプラインが延びているという。

 
石狩油田を含めて、以上4件が北海道にあった(ある)油田です。
この他にも、「釧路油田」という記載も見かけたのですが、詳細が不明なので保留とします。

茨戸油田はいろいろ面白いエピソードがあるようなので、機会があったら詳しく書きたいと思います。


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