「ニューヒット歌謡情報」「ハローサタデー旭川」。昭和の懐かしきFMエアチェックの時代。

2022年5月15日

♪ リークエストの宛先は~ 間違えずに書き留めて♪

♪ 郵便番号は~いちご~れい 東京都渋谷区神南~♪

♪ えーぬえっちけい~えふえむ~ ニューヒット歌謡情報~♪

先日、急に思い出したので書き留めておきます。
私が子供の頃、毎週聴いていたFMの音楽番組「ニューヒット歌謡情報」のリクエスト宛先ソングです。

すごいものです。おそらく35年以上は聴いてなかった歌(?)なのに、あの不思議な歌声の細部まで思い出せます。キャッチコピー、サウンドロゴ、CMソングとかって、ハマると絶大な破壊力がありますよね。

探したら音声がありましたのでコッソリ貼っておきます。



 
今回は昭和の音楽番組と、今の時代からすると信じられないような「エアチェック」にかけた青春について書きたいと思います。

 

「エアチェック」って何? 安価に音楽を聴く唯一の手段

「エアチェックって何?」という方もたくさんいると思うので、まずはそこから説明を。

「エアチェック」というのは、端的に言えばラジオで流れてる音楽をカセットテープに録音することです。

「え? なんでそんな面倒なことを」と思うかもしれませんが、私が子供の頃の若者にとっては、それが「安価に音楽を聴く唯一の手段だった」のです。

いま、皆さんは聴きたい曲をどうやって入手しているでしょうか?

・聴きたいときにYoutubeで聴く
・MP3のダウンロード販売で買う
・音楽ストリーミングサービスを利用する
・CDをレンタルして聴く

こんな感じですよね。

聴きたいと思った曲は、ほとんど動画サイトで聴くことができますし、携帯プレイヤーで聴きたいと思えば、200~300円で音楽データがその場で入手できます。さらにストリーミングサービスなどに登録すれば、月1000円ぐらいで大量の楽曲が無制限に聴き放題です。すごい時代になったものです。

でも、1970年代~80年代前半は違ったのです。
インターネットがありませんので、音楽を聴くとしたらレコードを買うか、テレビの音楽番組を見るか、ラジオを聴くしかありません。

レコードですよレコード。その時代、CDはまだありません。そしてレコードというものはデリケートな製品でしたので、レンタルショップはほとんどありませんでした。(今思うと、再生すればするほど劣化する媒体ってどーなんだ?)

ザ・ベストテンみたいな音楽番組もありますが、当時の歌手は今ほど歌唱力が無かったので、これを録音して繰り返し聞くということは誰もやってませんでした。

ということで、音楽好きの人がみんなやっていたのが、FMラジオを聴きながら好きな曲が流れたらカセットテープに録音するという方法です。これを「エアチェック」もしくは「FMエアチェック」と言っていました。

FMラジオはステレオで放送されていましたし、当時でもかなりの音質でしたので、レコードから録音したものと比べてもそれほど遜色はありませんでした。放送局側もエアチェックされることがわかっているので、曲の途中にトークを挟んだり、曲をワンコーラスでファイドアウトしたりすることはほとんどありませんでした。

私、と言うか、当時の若い人たちはみんなそうやって育ったんです。

 

NHKの「ニューヒット歌謡情報」はエアチェックに最高だった

そして話は冒頭に繋がります。
当時、北海道はFM放送局がNHK一局しかなかったため、エアチェックするにしても機会が限られていました。私が好んで聴いていたのは、今で言うJ-POP、当時はニューミュージックと呼んでいたジャンルなのですが、それが存分にエアチェックできたのは毎週日曜日に放送されていた「ニューヒット歌謡情報」という番組でした。



今の言葉で言うと「神番組」でしたね~。私が聴いていたカセットテープの半分ぐらいはこの番組で録音したものだったように思います。

なんせ、リクエスト宛先ソングが35年以上経っても歌えるぐらいですからね(笑)

番組が始まる何分か前には、カセットテープの頭出し(録音する位置まで巻いておくこと)をしてスタンバイ。パーソナリティの曲名紹介終了と当時に録音ボタンを押せるように、番組中はずっとステレオの前に座っていました。いやいや、懐かしいです。

今思うと、FM雑誌とかであらかじめ曲の情報を入手できなかったのかって感じですが、当時は小学~中学生だったので、もし雑誌に載っていたとしても調べるのは難しかったかもしれませんね。

  

「ハローサタデー旭川」も好きだった

ローカルな番組で申し訳ない。当時、私は北海道の旭川市に住んでいたのですが、土曜日の午後に道北地方のみのローカルで「ハローサタデー旭川」という番組がやっていました。これもエアチェック素材の宝庫だったんですよね。15時からの長時間番組だったと思います。

これは旭川のスタジオにリスナーを招いての公開放送だったので、本当にローカルで身近に感じられる番組でした。音楽も流行のニューミュージックが多く私好みで、ここからも多くのテープを作った記憶があります。

そんな感じで年間たくさんのテープを作って、繰り返し聴いていたのですが、あれらのテープってどこに行ってしまったんだろう??

実家が引っ越す際に処分してしまったかな。今持っていればかなりお宝だったような気もします。

 
徳永英明の「壊れかけのRADIO」でも歌詞になっていますが、私にとってラジオはたくさんの時代を作ってくれました。

音楽のジャンルは違いますが、後に開局した放送局・FM北海道で聴いた「サントリー サウンドマーケット」「ジェットストリーム」なども懐かしいですね。

ラジオ自体、今はほとんど聴かなくなりましたが、こうやって振り返ってみるとまた聴きたくなります。

インターネットの普及で、子供たちの興味が方向性が変わり、今はラジオを聴いている子供なんてほとんどいないんだろうなあ。ちょっと寂しくなりますね(笑)

 
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