関東を中心に明るい火球が目撃される(2020/7/2)。隕石か? 破片が地表に落下した可能性も【追記あり】千葉県習志野市で隕石発見

2020年7月14日

 

2020/7/2、関東で超明るい火球が流れた

今朝起きたらツイッターが騒然としていて何事かと思いました。
今朝(2020年7月2日)未明、関東地方を中心に火球が目撃されたようですね。かなり明るい大きな火球で、音もすごかったみたいです。

 



 
これはすごい。

火球のニュースがときどき見ますが、こんな明るくまぶしいのはあまりありません。
これは新聞社の公式動画ですが、映像自体はKAGAYAさんという方のツイッターにアップされているものです。火球が現れたのは午前2時32分とのことですが、よく撮影できましたね。まるでそこに現れるとわかっていたようなフレーミングです。

そのツイートがこれです。

 

うわっ! 19.7万リツイート!(7/2 22:35現在)

 
これは私も見たかったですね~
ウェザーニュースによれば関東地方のかなり広範囲で光と大きな音が観測されたようです。

 

 
かなり上空を流れていたはずなのに、この明るさですからね、かなり遠くからでも見えることは間違いないですよね。未明じゃなければもっと広範囲で目撃情報があったのではないでしょうか?

 

火球とは?

さて、ここで少し基本的なお話を。
「火球」というのは、このように、空を流れていく光る物体のことを言います。「それじゃあ、流れ星と同じ?」と思うかもしれませんが、実はその定義に厳密な基準は無く、一般には-3~4等級以上の明るい流星を「火球」と呼ぶようです。

実際、見る場所によって明るさは大きく変わりますからね~、お台場から見たら火球だったけど、さいたま市から見たら流星でしたって意味不明ですよね(笑) まあ、「すごい明るい流星が火球」という程度の解釈で問題ないと思います。現象としての違いは明るさだけで、発生する原因や組成が違うわけではありません。



火球(流星も含めて)が発生する原因は、小さな天体の大気圏突入です。太陽系の周りを回っている小さな天体は、ときどき(というか実は頻繁に)地球の大気圏に突入します。大気圏に突入した天体は、上空の大気をプラズマ化し光を放つのですが、これが火球や流星として観測されます。

天体が大気圏に突入するなんて、映画「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」を思い出して恐怖を感じる方も多いと思いますが、大抵は塵のような小さなものなので、遙か上空で燃え尽きてしまいます。

そして、たまに大きな天体も大気圏に突入してきます。これが火球になります。これもほとんどが上空で燃え尽きてしまうのですが、ごくたまに、核の部分が燃え尽きずに地表に到達することがあります。これを「隕石」と呼びます。

今回の火球は、「轟音が聞こえた」「爆発音が聞こえた」という証言があるため、かなり低いところまで到達した可能性が高いです。もしかすると隕石だった可能性もあるため、アマチュア天文家でつくる日本流星研究会が軌道の解析を急いでいるそうです。どうなっているのか気になりますね。大きな被害が出ていないと良いのですが・・・

こんなキレイな天文現象は大歓迎なのですが、1つ間違えると大惨事になる可能性もあるんですよね。恐ろしいです。ロシアのチェリャビンスク州で2013年に落ちた隕石の映像は、恐怖しかありません。この隕石の話は、またいずれ。

 

【追記2020/7/14】千葉県習志野市で隕石発見。「習志野隕石」として登録へ

今日のニュースにこんな記事が。

 
千葉県習志野市のマンションで、火球の一部と見られる隕石を発見したそうです。「習志野隕石」として登録される予定です。

これが地球の外から飛んできたものだと思うと、不思議が気持ちになりますねー。地球には存在しない物質とか混ざってたりして。